そのうがい、あってますか?

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 誰でも簡単にでき、さまざまな病気の予防に役立つ──そんな画期的なうがい方法を提唱するのは、歯科医・歯学博士の照山裕子氏だ。照山氏が上梓した『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム刊)は今年4月の発売直後から版を重ね、10万部を超すベストセラーになっている。

「長年にわたって歯科医として歯ブラシの指導を行なうなかで、ほとんどの人が『うがいがきちんとできていない』と気づきました。口の中の汚れをせっかく歯ブラシで除去したのに、それを口から出すことができていない。これではいくら歯磨きをしても、虫歯や歯周病を防げません。ならば、しっかりした『うがい』をしたほうがいいと考え、編み出したのが『毒出しうがい』です」(照山氏)

 多くの人はうがいをするときに、水を口のなかにたくさん含んで音を立てずにすすぐ程度だったり、かぜ予防のために行なううがいのように“ガラガラ”とか“カーッ、ペッ”と喉で音を立てたりしている。しかし、それでは虫歯や歯周病の原因となる歯の汚れを取り除けないのだという。

 照山氏の調査によれば、「毒出しうがい」「大量の水を口に含んだうがい」「ガラガラうがい」などの効果を、口内細菌や食べかすの残り具合で比較したところ、「毒出しうがい」が最も洗浄効果が高かった。

「歯磨き後に軽くすすいだ場合」も、歯の表面こそ食べかすが落ちたものの、歯と歯の間には汚れが残っていたという。

「歯みがきは本来、時間をかけて丁寧に行なうもの。1〜2分しか歯みがきに時間をかけられないくらいなら、毒出しうがいのほうが効果的です」(照山氏)

 毒出しうがいは、口のなかを4つの部分に分け、それぞれの部分に水を“強く速く”ぶつけることで汚れを除去する。いわば、水を使って口内を高圧洗浄するという考え方だ。

「クチュクチュと音が出るくらい、力強く水をぶつけるのがポイントです。歯の表面だけでなく、歯ブラシが届きにくくて口内細菌が住み着きやすい歯と歯の間に、水を通過させて洗い流します。1日3回、食後に行なうことを勧めています」(照山氏)

◆「クチュクチュ」音がポイント

 具体的に「毒出しうがい」の手順を見ていこう。

【1】30ミリリットルの水を口に含む

「水の量は多すぎても少なすぎてもいけません。頬いっぱいに水を含むと、口を力強く動かせなくなるし、逆に少なすぎると洗浄効果が落ちてしまうからです。口に含んで、片方の頬に収まりきるくらいの量が適量です」(照山氏)

【2】口をしっかりと閉じ、水を上あごの前歯に向けて強く、速く10回ぶつける

「鼻の下が膨らむように、『クチュクチュ』と音を立てながら、前歯に向かって水を強くぶつけるのがポイントです。10回ぶつけ終えたら、水を吐き出す。

 音の大きさは洗浄効果と比例します。私は家族に『うがいの音がうるさい』と怒られるほどの音を立てています(笑い)」

【3】改めて30ミリリットルの水を口に含み、【2】と同じ要領で、下の前歯に10回水をぶつける

「下の歯に水流がぶつかるよう、舌を丸めて、唇の下が膨らむくらいの強さが理想です」(照山氏)

【4】右の奥歯、左の奥歯に向けて各10回繰り返す

「うがいの水流で頬が膨らむくらいを意識しましょう。奥歯まで水流を届かせるために、必ず左右片方ずつ、水を入れ替えてクチュクチュするようにしましょう」(照山氏)

 実際にこの手順で「毒出しうがい」をやってみると、思いのほか口や舌が疲れることに気づく。

「洗浄効果に加えて、口内の筋肉を使うことで唾液の分泌が活性化するので、口の中が渇きやすい人にもおすすめです。さらに頬の筋肉も鍛えられるので、老けて見える原因となる“ほうれい線”も薄くなる。一石三鳥の効果です」(照山氏)

 水ではなく、緑茶を使えばその成分であるカテキンの抗菌作用や消臭作用により、口臭を防ぐ効果も期待できる。ただし、頻繁に行なうと茶渋で歯に色がつきやすくなるので、1日1回程度に留めて、残りの2回は水を使うのがいいのだという。

 うがい薬を使えばさらに効果がアップしそうに思えるが、照山氏は注意点を挙げる。

「うがい薬には清涼剤が含まれていることが多く、“スースー”とした刺激が強いせいで何度もクチュクチュするのが難しいことがある。刺激を我慢して使い続けると、口の中の粘膜を傷つけることもあるので、頻繁な使用は避けてください」

※週刊ポスト2017年9月8日号