春名風香さんの「中学校のお昼休憩は15分しかない」が大炎上!(depositphotos.com)

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 7月30日『はるかぜちゃん』こと声優・タレントの春名風香さんのTwitterが大きな反響を呼んだ。

 「中学校のお昼休憩は15分しかない」―――

 春名さんのツイートによれば、中学時代に通っていた学校には給食がなく、店で弁当を買うことも禁止。自宅で作った弁当を持参するか、事前に予約注文した弁当を職員室へ取りに行って食べるしかなかったという。

 昼食の15分は「弁当箱を出して片付けるまで」。予約弁当の場合は、受け取り時間がかかり、満足に食べる時間はない。春名さん自身も、食べるのが遅いために少量しか食べられず、放課後にお腹をすかせていたと綴っている。

 <食育>が叫ばれて久しいご時世に、義務教育中の育ち盛りの子どもたちが、お腹を空かせて授業を受けていることがまず衝撃だ。そして、その15分にあわせて食事を終える子たちへの危機感はないのだろうか?

本当の「食べる力」とは?

 いうまでもなく、食事は大切なものだ。生命を維持するエネルギーの補充という意味だけにとどまらない。食べるものや栄養のバランスが脳や精神に与える影響は大きい(参照:「朝食の炭水化物で意思決定が変化?」)

 厚生労働省が、子どもの食を支援するために作成した「食を通じた子どもの健全育成(-いわゆる「食育」の視点から-)のあり方に関する検討会」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局)。

 発育・発達過程に応じて「食事を味わって食べる」や「一緒に食べたい人がいる」「食生活や健康に主体的に関わる」といった段階を経て、「楽しく食べる子ども」が最終目標だ。

 元川崎市長が言っていたような「自分の食べるものは自分で作る」という意味では収まらない、広い範囲での「食べる力」が必要であると報告書では語られている。そして、これらの条件が「15分の昼食」で叶えられるとは到底思えない。

影響が大きすぎる「早食い」の健康リスク

 とはいえ、15分以内で食事を終えている現状の子どもたち。前述の春名さんのように食べる量を減らすか、早く食べるしか対応策はない。後者の場合はいくつもの健康的リスクが発生する。

消化不良
 人がものを食べるとき、口の中で食べ物を噛んで細かくしている。だが、早食いは、食べ物は咀嚼が十分に行われないまま胃や腸に達する。このため消化に時間がかかり、消化器にも負担がかかる。胸ヤケや腹痛などが起こりやすくなることもある。

血糖値が上がる
 一気に食べ物を体内に押し込むと、血液中のブトウ糖が急増する。血糖値を抑えるためには大量のインスリンが必要だが、急激な変化に分泌が間に合わず、高血糖状態が続く。高い血糖値は血管を痛め、インスリンを分泌するすい臓にも負担がかかる。

肥満になりやすい
 2001年に発表されたライオン歯科衛生研究所の調査によれば「『早い』『噛まない』『一口の量が多い』食べ方は太る」という。同じことが2006年に実施された疫学調査でも明らかになっており、「<早食い>は肥満と密接な関連をもっている」と結論付けられている。

 早食いは、よく噛まずに食べ物を飲み込みがちになる。また、満腹感を覚える前まで食べ続けしまう。

 ここで問題視すべきなのは、これらのリスクが将来的に生活習慣病に繋がっていくことだ。早食いで起こるリスクが、子どもの糖尿病や肥満になる可能性は高い。

 さらに、早食いは習慣化すると矯正が難しい。成長し成人した後にも、発症のリスクは継続していくことになる。将来にわたって健康を損なう食べ方を強いていると思うと、子を持つ親はぞっとすることだろう。

 総務省が実施した『平成23年社会生活基本調査』によると、10歳以上の男女の1日の平均食事時間は1時間39分。1日3食と考えれば、1食当たり33分。年齢や環境など条件は違うだろうが、15分を切る食事時間は短いと言わざるを得ない。

 地域によっては、すでに2学期が始まる学校もあるだろう。子どもに短時間での食事を強いる生活に戻る弊害を、あらためて大人は考えるべきだ。
(文=編集部)