「シェアリング農業」のイメージ(写真: 東レ建設の発表資料より)

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 東レ建設、国際電気通信基礎技術研究所等は8月30日、地域住民が参加できる「シェアリング農業」の実証事業を9月1日より開始すると発表した。初心者や高齢者も負担なく作業できる高床式砂栽培施設やIoT技術を活用し、地域住民が気軽に農業に携われるようにするという。

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 京都府のけいはんな学研都市、大阪府四条畷市、千葉県君津市の3カ所を舞台に18年2月まで実証事業を行う。けいはんな学研都市や周辺の地域住民約50人がサポーターとして参加。働く時間が限られていた女性や高齢者などが無理なく働ける「シェアリング農業」の実現を目的としている。

■実証概要

 温度や湿度など「栽培環境データ」と身体的負担等「作業状態データ」を収集し、インターネットを活用した統合システムを構築する。サポーターは希望作業時間や内容をシステムに入力することでマッチングが実現するという。

 さらにサポーターが心拍数などを計測する肌着を身に着けることで、身体的な負荷などを具体的に計測できるという。農園の画像やサポーターによる提案もシステム内にて共有されることで、農園の「見える化」も可能にする。実証終了後も、柔軟な就労機会の創出や地域コミュニティの発展など、新しい農業の在り方を継続して追求していくという。

■高床式砂栽培施設とは

 東レ建設が取り組む高床式砂栽培施設「トレファーム」とは、建設技術を活用した新たな農業施設。農業ベッドに建築用の足場を用いることで、高さ調整も可能な高床式にしている。これにより農作業者は腰をかがめることがないため、農作業の負担を軽減できる。

 足場をつなぎ合わせると農業ベッドの多段積みも可能となり、栽培面積を容易に拡大できるという。農業ハウスも錆に強く、強度が高いことから東レの技術が全面において、いかんなく発揮されている。

■農業にもシェアリングの波到来

 農業にもシェアリングエコノミーの波が押し寄せて来ている。北米では農業機械のシェアリングプラットフォームが話題になるなど、機械や道具を中心に盛り上がりを見せている。

 日本国内では、農業体験を共有できるプラットフォームや農業従事者とシェフを結ぶサービスなどが誕生。ITの進化に伴い農業のような一次産業の領域においてもシェアリング可能になってきた。来るべき超高齢化社会では、気軽に参加できる農業はある程度の需要が見込まれることから「シェアリング農業」の行方には今後も注視していきたい。