東ヨーロッパはバルカン半島に位置する小国、コソボ。かつてはユーゴスラビアのセルビアの一部でしたが、2008年に独立を宣言したヨーロッパで最も若い国です。

セルビア、モンテネグロ、アルバニア、マケドニアに囲まれた、人口およそ180万人、面積は岐阜県と同程度という小さな国ゆえ、日本人にはほとんどなじみがありません。

コソボといえば、1990年代のコソボ紛争のイメージが強く、紛争以外のイメージがわかないという人も多いことでしょう。いまだに危険なのではという印象を持たれがちですが、2017年8月現在、セルビアとの国境に近い北部の一部地域を除き、治安は安定していて、コソボを訪れる外国人旅行者も増えつつあります。

日本人にとってはほとんど「未知の世界」といっても過言ではない、コソボ。首都・プリシュティナのオールドマーケットから、今のコソボの姿を見てみましょう。

オールドマーケットは旧市街にあるプリシュティナ最大のモスク、ファーティヒ・ジャーミアの周辺に広がっています。

野菜や果物をはじめとして、食器などの日用品から衣類、コソボグッズまで、あらゆるモノがごちゃ混ぜになったカオスの世界。

ヨーロッパのマーケットは観光名所になっているところも多いですが、ここには外国人観光客はほとんどおらず、地元の人々の濃厚な生活臭が漂っています。

その独特の雰囲気に気圧されそうになりますが、持ち物の管理にさえ気を付けていれば危ないことはありません。マーケットの営業時間は店によって異なりますが、おおむね9時から16時ごろです。

屋外のマーケットではおもに野菜と果物が売られています。両側に露店が並ぶ道路を、歩行者だけでなく品物を乗せた台車や車までが行き来し、混沌とした光景が広がっています。

野菜や果物のコーナーを見て気付くのは、コソボの物価の安さ。コソボはEUには加盟していないものの、通貨としてユーロが使用されています。

生鮮食品は基本的に1キロ単位で価格が表示されていて、ピーマンは1キロ50セント、巨大なかぼちゃはひとつ1ユーロです。

喫煙大国だけあって、隙間なくぎっしりと並べられたタバコの露店も目立ちます。

面白いのが、車の荷台をそのまま商品の陳列台として使っていること。斬新であると同時に合理的な陳列法ですね。

簡素な屋根付きの半屋内のマーケットでは野菜に加え、食器や衣類などの日用品が所狭しと並んでいます。

たわしやスポンジ、ライターといったこまごましたものも多く、こうした細かい商売が生きているところにアジアっぽさを感じます。

ローカルマーケットなので、観光客が欲しがるようなものはあまりありませんが、先進国では見られない光景がむしろ新鮮。

おみやげになるとしたら、コソボ・アルバニアグッズでしょうか。コソボでは、コソボの国旗をあしらったコソボグッズのほかに、アルバニア国旗も目立ちます。

民族的に、コソボ国民のおよそ9割を占めているのがアルバニア人。赤地に黒の双頭の鷲を中央に描いた旗は、中世アルバニアの英雄・スカンデルベクの紋章にちなんだもので、アルバニア人のアイデンティティの象徴なのです。

マーケットの様子を撮影していたら、ところどころで「俺を撮ってくれ」と声がかかります。

それだけカメラを構えた外国人観光客が珍しいのでしょう。自分を撮るよう頼まれるなんて、他のヨーロッパ諸国ではほとんどないことで、地理的にはヨーロッパに位置するといえど、どこかアジア的なにおいを感じます。

はじめはおっかなびっくりの散策ですが、フレンドリーなコソボの人々とのふれあいが一番の醍醐味。

国家としても、観光地としてもまだまだ発展途上のコソボでは、素朴で人懐っこい人々こそが、最大の観光資源といえるのかもしれません。

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア