9月9日の建国記念日には6回目の核実験を行うのではないかとの懸念もくすぶっている 写真:労働新聞より

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 北朝鮮は、8月29日朝、平壌郊外の順安(スナン)地域から北東方向に弾道ミサイル1発を発射した。このミサイルは約2700km飛行し、北海道襟裳岬上空を通過、同岬の東約1180kmの太平洋上に落下した。安倍総理は「政府は発射直後からミサイルの動きを完全に把握していた」としたが、日本落下の可能性はないと判断し、自衛隊による迎撃措置は取らなかった。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は、このミサイルが「火星12」であったと報じた。北朝鮮の金正恩委員長は、米国との決定的対立を望まない姿勢を示すためか、予告していたグアム周辺の海域にミサイルを4発同時に発射することは避けた。しかし、発射されたミサイルは、グアムへの発射計画で予告していたものと同一のものと思われ、「グアムをけん制する前奏曲となる」と述べているように、米国に警告を与えるには十分であろう。

 また、「恥ずべき韓国併合から107年にあたる29日に『日本人を驚愕させる大胆な作戦』を立てた」と述べ、日本にも警告を発している。さらに「今後、太平洋を目標とする弾道ミサイル発射訓練を多く実施して、戦略兵器の戦力化を積極的に進めなければならない」と語った。

 安倍総理は、「これまでにない脅威」と述べたが、日本を標的とし、上空を通過させたことに強い懸念を覚えざるを得ない。

 国連安全保障理事会は29日夕、緊急会合を開き、北朝鮮によるミサイル発射を非難するとともに、発射の即時停止を求める議長声明を、中ロを含む全会一致で採択した。これまで北朝鮮の挑発行動に対しては、報道機関向けの非公式な報道声明で対応することが多く、議長声明は2012年4月以来5年4ヵ月ぶりである。国連は、それだけ事態の深刻さを重く見たということである。

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