[8.31 W杯アジア最終予選 日本2-0オーストラリア 埼玉]

 無欲に振り抜いた一撃がロシアへの号砲となった。1-0で迎えた後半37分、FW原口元気が粘ってつないだボールを日本代表MF井手口陽介(G大阪)が拾って左サイドから中に切れ込み、PA手前から右足を一閃。「入るとは思ってなかった。枠に入ればいいかなと。その分、力が抜けて蹴れた」。豪快にゴール右上に突き刺さるミドル弾が国際Aマッチ出場3試合目にして初ゴールだった。

 直前の後半32分には原口の折り返しから決定機を迎えたが、シュートはゴールラインぎりぎりでディフェンスのブロックに阻まれた。「あれを外して、流れ的にも攻められている時間だった。自分が決めてやる気持ちで臨めたのが良かった」。W杯出場を大きく手繰り寄せる価値ある追加点だった。

 昨年11月にA代表初選出。今年6月7日の国際親善試合・シリア戦(1-1)に途中出場し、A代表デビューを果たすと、同13日のW杯アジア最終予選・イラク戦(1-1)で初先発を飾った。脳震盪で途中交代するアクシデントに見舞われたが、デュエルの攻防で存在感を見せ、この日も連続先発。中盤での守備はもちろんのこと、ゴールという結果でも期待に応えた。

「イラク戦のアウェーと今回のホームとでは全然雰囲気も違った。別物だったけど、あまり気負いせず入れたのがよかったのかなと。いつもどおりの試合かなと思って入った」という強心臓ぶりも発揮。監督からはインサイドハーフでコンビを組んだMF山口蛍と2人で「相手のダブルボランチに仕事をさせない」というミッションを与えられていた。「前半は全然ダメだったけど、後半は徐々にハメられるようになった。もっと僕がボランチに付けと言われた」と、試合を通してエンジンがかかり、90分間を通して豊富な運動量を見せた。

 先制点を決めた22歳のFW浅野拓磨、そして21歳の井手口と、リオデジャネイロ五輪世代の2人がゴールを決めた。「なかなか下から出てきていなかった。リオ組がもっともっと活躍していけるようなチームになっていければ」。世代交代も印象付けたW杯出場権獲得。チーム最年少のダイナモが強烈な新風を吹き込んだ。

(取材・文 西山紘平)


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