そのふてぶてしさは、いかにも国際舞台向き。末恐ろしい大器、井手口陽介がついに全国区の知名度を得た。写真:田中研治

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[ロシアW杯アジア最終予選]日本2-0豪州/8月31日/埼玉スタジアム2002

 82分、左サイドからするすると中央へ持ち込み、迷わず右足を振り抜いた。やがて、6万観衆で膨れ上がった埼玉スタジアムが地鳴りのような大歓声に包まれる。主役を張ったのは、ガンバ大阪が誇る至宝、井手口陽介だ。
 
 オーストラリアとの大一番での抜擢登用。とはいえ、今季のJ1では攻守両面で圧巻のパフォーマンスを披露しており、コンディションもすこぶる良好。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は井手口の状態をチェックすべく、あしげくガンバの試合会場に足を運んでいた。兼ねてから特大の期待をかけられていたのだ。
 
 守っては執拗なボール狩りでピンチの芽を摘み、攻めてはこの日の鮮烈ゴールのように、力強いドリブルから確度の高いパス&シュートで果敢にフィニッシュに絡む。8月23日に21歳になったばかりとは思えない完成度を誇るフットボーラーだ。
 
 年齢に似つかわしくないのは、ほかにもある。オーストラリア戦後のヒーローインタビューでのはにかんだ表情が印象的だったが、何事にも動じない性格とメンタリティーの持ち主。プレーに波が少なく、以前話した際、元日本代表MFの遠藤保仁も「これからの日本サッカーを背負っていける選手」と太鼓判を押していた。
 
 ガンバの下部組織で英才教育を施され、年代別代表でも常連のエリートだ。昨年のリオ五輪にもエントリーし、昨季のJアウォーズでは「ベストヤングプレーヤー」とルヴァンカップ「ニューヒーロー賞」の個人2冠を獲得した。
 
 浪速の雄で不動のレギュラーの座を掴み、勢いのままにハリルジャパンでも重要な役割を果たした。いざ、日本を代表するダイナモへ──。井手口陽介が、きわめて大きな一歩を踏み出した。

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