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子犬のような愛らしいルックスに、ギャップ萌えする低音イケボ、オレ様全開なツンデレぶり、ファンのことを“うなぎ”と呼び、シャドウメイクでロックを歌うアジアのプリンス……。


K-POPブームと言われた2010年前半、もっともバブリーな人気を博した“グンちゃん”ことチャン・グンソク。韓流やK-POPファンでなくとも、おなじみの存在だろう。


今年に入って久しぶりに日本のテレビに登場し、ダウンタウンのふたりやナインティナインの岡村隆史などの大物タレントとも渡り合える、流ちょうな日本語のトークセンスを見せつけた。


さらにこの夏リリースしたアルバムはウィークリーチャートの2位を獲得。演技も歌もMCもこなすマルチタレントの韓流スターとしては、唯一無二の存在。そんなグンちゃんも気づけばこの夏で三十路を迎えたが、いまだ衰えないその人気と魅力とは──。


 


ラブコメドラマ『美男<イケメン>ですね』でブレイク


日本でのブレイクのきっかけは、なんといってもカリスマバンドリーダー、ファン・テギョンとしてのオレ様キャラがハマリ役となった、ラブコメドラマ『美男<イケメン>ですね』の存在だろう。2010年、地上波ではフジテレビで夏休みの平日夕方に毎日放送された。


その翌年、アーティストデビュー作となった「Let me cry」はキャッチ―なロックテイストで、11万枚あまりを売り上げ、チャートの初週1位に躍り出る。当時海外アーティストのデビュー作で初登場1位は初の快挙だった。


また2011〜2012年の間は、サントリーのマッコリをはじめ、ローソン、TBCなど日本の大手企業を含むCM出演はのべ8社。韓流タレントのなかでもトップクラスの人気を誇り、時代の寵児となっていった。



韓国での経歴は、6歳で子役デビュー、10代後半から本格的にテレビドラマへの進出。音楽的には2007年の映画『楽しき人生』でロックシンガーを務め開花させるが、本人名義ではデジタルシングルの数曲と、役者として出演作品のサントラで歌っている程度で、本格的な歌手活動はしていない。


役者として出演した作品は、韓国以上に海外から熱い反応が返ってくる。その結果、本国よりマルチに活躍できる日本や海外で支持される韓流スターとなっていった。


 


日本でブレイクしたいというその本気度


では、なぜ日本ではここまブレイクしたのだろうか。結論から言うと、日本で成功したい本気度と、自己プロデュース力の高さだ。


中学のときにSMAPを見て、日本でマルチタレントになることに憧れたのが日本語を勉強する始まりだったと言い、大ブレイク以前の日本ファンミーティングでも、すでに簡単な会話ができる程度に日本語を身に付けていた。


「Let me cry」でのソロアーティストとしての成功に加えて、大学仲間のBIG BROTHERとのダンス&DJユニット「TEAM H」を結成、ステージでは自らもDJプレイを務めサマーソニック等の大型フェスにも出演した。



こうした広い音楽性を持つことから、彼のライブは振り幅が広い。王子風の甘い演出もあれば、ロックもあり、アゲアゲDJステージも披露できるエンタメショーを創り上げ、そのプロデュースはすべて自ら手がけているというからすごい。


さらに年齢やファン歴を問わず、“みんな俺のもの”感を漂わせる、熱い愛情とトークはアッパレだ。韓国芸能人の場合、誰においてもその要素が強いほうだが、筆者が長年見てきた韓国芸能人のステージのなかでも、ファンに対する訴求力は最上級だ。


ファンを“うなぎ”と呼ぶのも、ウナギはスタミナ源、つまり元気の源という、グンソクらしい愛情表現にはじまり、時に無邪気に、時に俺サマ、時に弱点もさらけだしてファンと向き合おうとする姿勢は、何度ステージを観ても虜にならざるを得ない。


それが表舞台だけではない。彼はスタッフの名前をきっちり覚え、目を見て名前呼びで挨拶を交わすというマナーの高さが伝え聞かれ、バックステージの様子は決して“俺サマ”=横柄ではない。単に子役出身だからという芸歴の長さだけでは片づけられない、人を魅了する要素を兼ね備えた人物と言えるだろう。


 


1年間の充電期間を経て復活。2017年で30歳に


そんな大活躍をよそに2014〜2015年の春までの約1年間は充電期間をもうけ、自らの方向性や歩みを熟考したという。


2016年、韓国で2年ぶりのテレビレギュラーへ復帰を果たし、大規模オーディション番組『プロデュース101』のMCとしてカリスマぶりを放っていた。


そして2017年のこの夏、日本で4thアルバム『voyage』をリリース。ポジティブなJ-POP調の曲が満載で、リード曲「voyage」の歌詞は本人作。“僕を選んだことを後悔させない”“歳を重ねるのも悪くない”と、ファンに寄り添う30歳の今の心境を、等身大で綴っている。



ブレイク直後の20代半ばに話していた理想の女性像は「アジア中を駆けまわる僕をずっと待ってくれる心の広い女性」だったが、最近は「自分を家で待ち構えているよりも、相手もしっかり仕事を持ち会話を共にできる人」と変化し、心身ともに大人への成長を見せている。


いっときの人気に安住しない、自分を俯瞰で見られる自己プロデュース力が、トップランナーでいられる証ではないだろうか。


ちなみに、まだ兵役を済ませていないグンソクは今年がリミットで、間もなく入隊ではと目されている。入隊すれば約2年間のお別れだが、その経験も肥やしに一層進化したチャン・グンソクの姿を期待できるだろう。


TEXT BY 筧 真帆(日韓音楽コミュニケーター)



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