出費を抑えるには、ムダなお金をなくす“節約”を考える必要があります。でも、何もかも節約していたら幸せではありません。お金が貯まる人は、節約効果を「一生分」で考えているのです。

写真拡大

「節約」と聞くと、あまりいいイメージがないのではないでしょうか。「好きなものも買わずにグッと我慢する」「チマチマと10円20円でも安く買う」「高いものは買わない、安くないと買わない」といった印象があるかもしれません。

実は、そういったマイナスイメージの「節約」は、悪い節約です。なぜなら、一生続けることができないからです。

お金を上手に貯めて、自分の好きなことに使うためには、お金の出入りを一生分くらいの長〜いスパンで考えることが重要。少々大げさに聞こえるかもしれませんが、キーワードは「一生分」なのです。

その20円の差、「一生分」でどのくらい?

ドラッグストアに行って、洗濯用の洗剤を買おうと思ったとします。普段よく買う洗剤が、268円で売られています。セールの時は248円くらい。「ちょっと高いな…」と思って、節約のために買わない判断をする人もいるかもしれません。「次のセールの時を待ってから買おう」と。

では、この節約は一生分でどれくらいになるでしょうか。洗濯の頻度にもよりますが、2か月に1回くらいのペースで買っていたら、1年間で20円×6回=120円。仮に35歳〜85歳までの50年間で考えたとしても、120円×50年=6000円。

一生分で、6000円の節約にしかならないのです。300回も節約をがんばって、6000円の差。

労力の割には…あまり効果的とは言えないのではないでしょうか。

それだったら、「勢いで買ったけれど、結局似合わなくて1回しか着なかった洋服」や、「なんとなく買ったけれど、自分の部屋にしっくりこなくてクローゼットの奥にしまっているインテリアグッズ」などを1回買わないようにするだけで、6000円の節約はあっという間にできてしまうのです。

つまり、「たまにしか買わないもの」「金額が小さいもの」は、「一生分」で考えてみると、節約を何百回がんばったとしても効果が小さい「報われない節約」。報われない節約を続けているとストレスがたまっていき、ストレスが爆発して散財する原因になりますので、要注意です。

「報われる節約」を意識しよう

せっかくなら「報われる節約」をしたいもの。「一生分」で考えて、効果が高いことから始めましょう。ポイントは、「頻度(が高いもの)」×「金額(が大きいもの)」です。

そう考えると、「固定費」は、大きな見直しどころです。

ある女性は、「忙しさのあまり、スマホ代にいくら払っているか何年もチェックしたことがない」といっていました。調べてもらったら、なんと月に2万円以上かかっていました(クレジットカード払いで支払い明細書を見ていないため、まったく気づかなかったそう)。

格安スマホにしたら月3,000円程度に下げることもできますし、キャリアを変えずに、今の使い方にあったプランに変えれば1万円程度下げることも可能でした。もし、月に1万円下げたら、30歳から70歳まで使ったとすると、その差はいくらになるでしょうか。

1万円×12か月×40年間=480万円

なんと500万円近くの節約になるのです(スマホが普及したのはここ10年ほどのことですし、技術革新や時代の変化により30年後、40年後には今と同じようにスマホを使っているとは考えにくいですが、それは置いておき、単純に計算してみました)。

「一生分」で考えると、「頻度」「金額」の2つをチェックすることが大事だとおわかりいただけたのではないでしょうか。

やみくもに出費を下げるのは無意味

ただし、注意したいことは、やみくもに出費を削らないこと。ここでも「一生分」がキーワードになります。例えば、「勉強しようと思ったけど、お金がかかるからやめた」というようなことはもったいない。その勉強によって仕事のモチベーションが上がったり、仕事の成果につながったり、ゆくゆくは転職に有利になったり、お給料が上がったりするかもしれないからです。

必要な出費まで削ってしまうことで、「将来得られるはずだった満足感や収入」を大きく失うことのないよう、十分注意しましょう。

以上、節約を考えた際に、お金を上手に貯めている人のキーワードは「一生分」だということをお伝えしました。

まずは、自分の出費のうち「頻度が高いもの(定期的に支払っているもの)」「金額が大きいもの」をチェックして、「無理なく下げられないか」という視点で、ぜひ一度考えてみてください。そして、それを減らしたことで、将来得られるはずの満足感や収入」が削られないかも注意。長い目で考えながら、自分のお金と気持ちのバランスをうまくとっていきたいですね。
(文:西山 美紀)