アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)

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『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』が8月30日にダイヤモンド社から発売されることを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を本日より特別公開していく。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてほしい。

【はじめに】
自己啓発の父、アルフレッド・アドラーとは何者なのか?

 アドラーは「自己啓発の父」と呼ばれています。

 いまやビジネス書の古典であり定番とも言える、デール・カーネギーの『人を動かす』『道は開ける』(創元社)やスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』(キングベアー出版)を読むと、その理論の多くにアドラー心理学(個人心理学)と非常に近い考え方を見て取ることができるでしょう。また、コミュニケーションの技術として広く知られているコーチングやNLPの多くにも、アドラー心理学の影響が見られます。

 また、経営コンサルタントの大前研一氏は「週刊ダイヤモンド」(2008年11月8日号)の特集「使える心理学」のコラムの中で、フロイトと対比されたアドラーの理論をポジティブ思考の側面から捉えて以下のようなコメントを残しています。

「じつは私も典型的なアドラー派である。どのくらいアドラー派かというと、人生で『私にはできない』と思ったことはない」。

 アドラー心理学は「人間性心理学の源流」とも呼ばれています。アドラーに影響を受けた心理学者は数知れません。著名なところではアブラハム・マズロー、ヴィクトール・フランクル、カール・ロジャーズ、アルバート・エリス、アーロン・ベック、エリック・バーン、エーリッヒ・フロム、ウイリアム・グラッサーなどが挙げられるでしょう。

 多大な功績を残し「時代に一世紀先駆けている」と言われたアドラー心理学を、ここにご紹介できることを光栄に思います。

 本書は、学術書や心理学の入門書とは異なる平易な言葉使いやシンプルな意味解釈により、アドラーおよび、その弟子、孫弟子たちの言葉を再編したものです。心理学や学術書に対して敷居の高さを感じていた方に一人でも多く読んでいただきたいと思います。

 本書の言葉はどれもシンプルで明快です。であるがゆえに「あたりまえ」に聞こえるかもしれません。しかし、その「あたりまえ」こそが真実であり、答えなのです。

 こんなエピソードがあります。

 アドラーの講演を聞いた聴衆が言いました。

「今日の話はみんな、あたりまえの話(コモンセンス)ではないか?」

 アドラーは答えました。

「それで、コモンセンスのどこがいけないのか?」。

 さあ、それではまず、人生のシンプルさを説くこんな言葉からご紹介いたしましょう。

人生を困難にしているのは「あなた」である

人生が困難なのではない。
あなたが人生を困難にしているのだ。
人生は、きわめてシンプルである。

<解説>

「人生が辛く、苦しい」のではありません。あなたが、自分の手でわざわざ「人生を辛く苦しいものにしている」のです。アドラーは、それをこのように例えました。

「高さが5フィート(約1.5メートル)しかない戸口を通り抜ける方法には2つある。一つはまっすぐ歩くことであり、二つ目は背中を曲げることです。最初の方法を試せば、横木にぶつかるだけです」と。つまり「人生が辛く、苦しい」と感じている人は、低い戸口に対してまっすぐ進み、頭をぶつけているだけのこと。事前に背中を曲げれば何も問題はないのです。しかし、多くの人は低い戸口が「原因」であり、自分は悪くない、と言います。そうではありません。腰を曲げない自分が悪いだけなのです。

 では、どのように生きれば人生が辛く、苦しくなり、どのように生きれば、人生がシンプルになるのでしょうか。その答えを一行で言い表すことはさすがにできません。おそらくは、本書を読み進めることで、徐々にわかるようになるでしょう。現段階でお伝えできるのは、現在の人生を決めているのは「運命」や「過去」のトラウマではなく、自分自身の考え方である、ということです。

 だからこそ、私たちは、いつでも決意さえすれば、自分の人生をシンプルにすることができるのです。そろそろ、自分の頭を横木にぶつけるのをやめてはいかがでしょうか。「人生を困難にしている」のをやめればいいのです。

※本連載は日曜日をのぞく毎日続きます。