2006年ドイツW杯同様、リードを奪った日本だが、その後の展開も3年前と変わらず……。パワーでじりじりと押し込まれ、後半、日本にとって悪夢の存在であるティム・ケーヒルに2ゴールを決められて逆転負け。日本は2位で最終予選を終えた。
◇4人目
栗原勇蔵
2014年ブラジルW杯アジア最終予選・第3戦
 
 アルベルト・ザッケローニ監督に率いられた日本は、最終予選でオマーン、ヨルダンを撃破した後、12年6月12日にブリスベンに乗り込み、グループ最大のライバルであるオーストラリアと対峙した。
 
 前年のアジアカップ決勝では延長戦の末に勝利を飾った日本は、後半にオーストラリアが退場処分で1人少なくなったことで優位に立ち、65分にはショートコーナーから本田圭佑がドリブルでペナルティーエリア内に侵入して入れたクロスを、DF栗原勇蔵が逆サイドで合わせて先制した。
 
 このままリードを守りたかったところだが、その5分後に痛恨のPKを献上し、結局、1-1で試合終了。FKを本田が蹴ろうとしたところで終了の笛が鳴ったことも話題となった。
◇5人目
本田圭佑
2014年ブラジルW杯最終予選・第7戦
 
 6試合を終えて4勝1分け1敗の日本は、13年6月4日、埼玉スタジアムにオーストラリアを迎えた。この試合は、勝つか引き分けでブラジル行きが決定する大一番となった。
 
 一進一退の攻防が続き、終盤までスコアレスで試合は進んでいったが、80分、クロスがGK川島永嗣の頭上を越してオーストラリアが先制点を奪う。
 
 日本にとっては厳しい展開となったが、試合終了間際、ショートコーナーから本田が上げたクロスが相手選手の手に当たってPKを獲得。アディショナルタイムに突入したなか、運命のキックを託された本田は、プレッシャーを物ともせずにど真ん中に蹴り込み、劇的なかたちで5回連続でのW杯出場を決めた。
◇6人目
原口元気
2018年ロシアW杯最終予選・第4戦
 
 そして迎えた今予選。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本は、ホームでの初戦でUAEに敗れる(1-2)という最悪のスタートを切り、その後、タイ、イラクを連破してから、16年10月11日、オーストラリアとのアウェーマッチを迎えた。
 
 日本は相手にプレッシャーをかけ、5分に中盤でボールをカットすると、本田からのスルーパスで原口元気が抜け出し、GKとの1対1を冷静に制して先制点を奪った。
 
 攻守ともに組織プレーが機能した日本だったが、後半に原口のファウルでPKを与えて同点に追い付かれ、このまま試合は終了することに。またしても、W杯予選でオーストラリアから勝利を奪うことはできなかった。
 
 試合後、しばらくベンチで立ち上がることのできない原口の姿が印象的だった。
 
――◇――◇――
 
 ちなみに他の公式戦では、2006年ドイツW杯・グループステージの初戦(1-3の敗戦)で中村俊輔、01年コンフェデレーションズカップ準決勝(1-0で勝利)で中田英寿、07年アジアカップ準々決勝(PK戦の末に勝利)で高原直泰、11年アジアカップ決勝(1-0で勝利)で李忠成が、それぞれゴールを決めている。
 
 ご覧いただければ分かる通り、これまでオーストラリア相手の公式戦において、日本は複数得点を挙げていない。果たして、31日の決選では新たな歴史を作ることができるか。

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