29日、韓国の若者の間では最近、空港が異色のデートスポットとして脚光を浴びているという。写真は仁川国際空港。

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2017年8月29日、韓国・国民日報によると、韓国の若者の間では最近、空港が異色のデートスポットとして脚光を浴びているという。

大学院進学を目指して浪人中のパクさん(30)は最近、恋人と一緒に仁川国際空港を訪れた。離陸する飛行機を眺めながら食事を楽しめるレストランで昼食をとり、空港内の映画館で映画も観賞した。夜になるとパクさんは出国審査場ではなく空港鉄道の改札へ向かった。パクさんにとって空港は飛行機に乗る場所ではなく「デートスポット」なのだそうだ。

韓国では最近、パクさんのように空港で異色デートを楽しむ20〜30代が増えている。レストランやカフェ、書店、映画館、コンビニなど多様な施設がそろっている上、公共交通機関のアクセスも良い。暑い夏も快適に過ごすことができ、運が良ければドラマの撮影や、出国する芸能人に遭遇することもできるというのが空港デートの魅力だという。

頻繁に空港デートを楽しんでいるという大学生のキムさん(25)は「これから旅行に行く人を見るとわくわくする。その気持ちを感じるために空港で遊んでいる」と話している。

若者の空港デート人気を受け、彼らをターゲットとしたマーケティングを準備する企業も増えている。

空港デート人気の最も大きな理由は「比較的安い費用で旅行したい欲求を満たすことができる」という点。旅行したいと考える20〜30代は多いが、時間と費用の問題があり現実は厳しい。パクさんは「空港に行くと旅行したいという欲求が間接的に満たされる」と話した。

ところが、この「代償的満足」を得るために訪れた空港が、時には「剥奪感」を抱かせる場所になることもあるという。キムさんは「旅行に行く人たちをうらやましく思い、虚しさを感じる時がある」と明らかにした。ある調査によると、SNSに掲載された他人の旅行写真を見て相対的剥奪感を抱く人は73.5%に達するという。

しかし、空港デートを楽しむ若者は今後も増加するとみられている。ソウル大学心理学科のクァク・クムジュ教授は「空港が若者の『心理的脱出口』の役割をしている」とし、「20代、30代は空港に行くだけでもヒーリング効果を感じるため、ある程度の剥奪感は許容できる」と指摘した。

国民大学社会学科のペ・ギュハン教授は「時間や経済的に海外旅行に行かれず、空港でデートをする若者の現実が気の毒だ」としつつ、「空港を『良い施設』と考えて利用するのは若者らしい発想の転換」と評価した。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「なんか悲しい」「空港でデートしたら余計に虚しくなりそう」「物価が高い空港でデート?他人をうらやんだら負け。物価が安くて雰囲気の良い街でデートをすべき」「外国に行かないのに空港へ行く意味が分からない」など空港デートに否定的なコメントが多く寄せられている。

また、「SNSで自慢するために行くんでしょ?」「若者はインスタ用の写真1枚のために空港にまで行くようになったのか…」と指摘する声も。

一方で「気持ちは分かる」「どこでデートするかは自由。本人たちが満足しているならいいのでは?」と理解を示す声もみられた。(翻訳・編集/堂本)