彼女を殺したのは、『病気を言い訳にさせない空気』だった。

セラフィム(@seraphim_s_c)さんは過去、同僚の女性を亡くした経験を持ちます。

女性はまだ28歳でした。

最後に見た彼女は、夜遅くまで続くミーティングの合間に、激しい咳をこらえていました。隠れるようにして使っていたのは、吸入薬。彼女は喘息を持っていたのです。

ミーティングの翌日、彼女は出社しませんでした。代わりに来たのは、彼女の家族からの知らせ。

「深夜に心臓発作で亡くなった」、と…。

なぜ、女性は亡くなったのか

セラフィムさんは、こう考えています。

「ミーティングに出席するために、使用限度を超えて吸入薬を使ってしまっていたのではないか 」

救急車で病院に運ばれたものの間に合わず、彼女の直接の死因は、心臓発作だったのだそうです。

もし、ミーティングに出席せず、帰宅していたら。

薬を過度に使わずに、自宅で休んでいたら…。

28歳だった彼女は、いまも仕事をし、自分の趣味を楽しみ、笑っていたかもしれないのです。

セラフィムさんは、こうコメントしています。

「いまも彼女の死を忘れたことはありません」

喘息は「自己管理」できるものではない

セラフィムさんがTwitterに投稿したエピソードに対し、多くの人がコメントを寄せました。

風邪と喘息の咳は違う、ということはあまり知られていないと思います。「喘息にならないように自己管理しろ」といわれることがあるけれど、いろいろなことがきっかけで発作が出るので管理しづらい。「休みます」と口に出しやすい社会になってほしい。救急車で運ばれた翌日に、職場に求められて出社したことがあります。応じてしまった自分が信じられない。『空気感』は恐ろしい。

亡くなった女性と同じく喘息に苦しむ人から、周囲の理解を求める声が多く見られます。

自分や、身近な人が症状を持っていなければ、病気について深く理解することは難しいでしょう。ですが、苦しんでいるのを、察することはできるはずです。

問題があるのは、「体調が悪い時は、無理をせずに身体を休める」という当たり前のことがいい出しづらい『空気感』を持った環境です。

誰しも、体調のよい時、悪い時があります。

調子が優れない時は休み、体調がよい時に休んだ分を取り戻すべく、ふだん以上に力を発揮する…。

そんなシンプルなことが、「みんな、つらくても頑張っているのだから」という意識にかき消されがちなのが現実です。

「頑張りが、時に命を奪うことがある」

その事実を、多くの人が知るべきなのでしょう。

[文・構成/grape編集部]