ヨガ特有の技法「バンダ」。 筋肉的に探してみよう

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ヨガ特有の言葉「バンダ」って、いったい何?

ヨガのクラスに出るようになって初めて聞いた言葉はいろいろありますが、中でもよくわからなかったのが「バンダ」。肛門・会陰のあたり、みぞおちのあたり、ノドを締めるというヨガ特有の技法です。

ヨガのクラスでは「このあたり」という説明の仕方で、自分で体を動かしながら、自分にとって使いやすいバンダの位置を探っていくことになり、難しく感じることも。でもこの「バンダ」、筋肉的に探してみてもとても理にかなっているのです!

エネルギーの巡りをよくすることが目的のバンダですが、実はさまざまな動作もサポートしています。バンダを筋肉的に探してみると以下の通りになります。

バンダの種類

【ジャーランダラバンダ】胸鎖乳突筋

ノドのバンダとは胸鎖乳突筋を収縮すること。これによって首の動きをロックします。これは首の強化に役立ち、また呼吸をしやすくもしています。肛門を締めるムーラーバンダ、みぞおちを締めるウディヤナバンダと、3つを同時に使うと、呼吸サポートの効果は絶大に。

【ウディヤナバンダ】腹横筋

みぞおちを締めるというウディヤナバンダは、腹横筋を収縮すること。この筋肉は、背中からお腹にかけての大きな筋肉。これを収縮させると、体の前面の中心線(正中線)に向かって、胴体を締めることになります。まるでコルセットをした感じになり、それが体全体をブレなくさせるために有効。お腹を締めることで肺が使いやすくなるので、呼吸のサポートにもなります。

【ムーラーバンダ】骨盤底筋群

肛門を締めるというムーラーバンダは、骨盤底筋群の収縮です。骨盤がロックされ、足の動きがスムーズになります。また横隔膜と連動している筋肉なので、呼吸がしやすくなります。

肛門を締めると骨盤が後傾し足が伸びやすくなり、骨盤が前傾するとヒザも曲がりやすくなるのです。

例えば、逆立ちをする時。肛門を締めると、結果的に骨盤底筋群が締まって足が伸びます。ノドを締めれば胸鎖乳突筋を締めるので、胸が上がり呼吸がしやすくなります。みぞおちを締めれば、腹横筋を収縮させ、体幹部(腹筋、背筋とも)がギュッと締まるので胸が上がる。これまた呼吸がしやすくなり、同時に体幹部が固定され、結果としてその他の場所がリラックスして動きやすくなる。というわけです。

科学的に検証する以前から、体感で行っていたことも、実は解剖的な体の作りに照らし合わせてみても、とても理にかなっていました。これらの技術を上手に使って呼吸をサポートしていけば、もっとヨガが楽しくなりますね。

 

ライター:幸 雅子
出典:『Yogini vol.58』「筋肉についていろいろ知っておきたいこと」
監修:山坂元一(ストレングス&コンディショニングトレーナー。株式会社VIDO代表取締役。アメリカの最新情報を加えた独自の理論を展開。)