虫歯のない人は歯周病にかかりやすいってホント? 歯科医に聞いてみた

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「虫歯のない人は歯周病にかかりやすい」と聞いたことがある。「教えて!goo」にも「歯周病菌と虫歯菌は違いますか?」という質問が寄せられているように2つの相関関係は、多くの人が気になるところ。歯科医に話を聞いてみた。

■プラークの付着場所がカギだった

まずは巷で伝わる噂の真相を確認せねば。虫歯のない人は歯周病にかかりやすいというのは本当だろうか? 虫歯菌と歯周病菌は別物だからとのもっともらしい意見もあるのだが。

丸山歯科(群馬県高崎市)の丸山和弘院長が「虫歯のない人が歯周病にかかりやすいということはないと思います」と即答。「どちらも原因はプラーク(歯垢)です。付着場所によって同じプラークの成分でも虫歯や歯周病になってしまいます」と説明する。

そもそも細菌数が多すぎるので、口の中にはどちらの原因菌も存在するそうだ。しかし、噂が否定されたからといって“虫歯がない=歯周病にならない”との関係は成り立たない。

丸山院長は「虫歯がない人が歯周病になっているというケースはあります」と述べる。

「虫歯がないために歯医者に行かなければ、それだけ歯石除去なども行われる機会がなくなります。そういう意味では、リスクは高くなるかもしれません」(丸山院長)とのことだ。噂もまるっきりのデタラメではなかった。

■歯周病の前兆を知りたい

確かに虫歯になったことがなく、歯が痛むなどの症状が出なければ、なかなか歯科医院に足が向くことはない。となると、素早く歯周病の前兆をつかんで受診することが大切になりそうだ。

歯科医院に行った方がいい目安として、丸山院長に挙げてもらった現象が以下の3点になる。要点も合わせて聞いた。

【1】ブラッシング時の歯ぐきの出血
歯ブラシで出血するのは、初期の歯周病よりも中期程度の可能性もあるため、かなりまずい状態だと思います。

【2】歯に物がよく挟まる
歯に物が挟まると、食べかすと細菌が集まった物で、歯と歯の間の歯茎が圧迫された状態になります。綺麗に取り除かなければ、いずれ歯周病が急速に進行します。

【3】噛むと歯が動く・痛い
多くの人は、噛んだり顎を動かすときの擦れ度合いで、歯がわずかながら自然に移動していきます。すると噛み合わせの力のバランスが変化し、負担が増える歯が出てきます。噛むと痛かったり、浮いた感じで動いたりするのは、支えるキャパシティーを超えた力がかかっているからです。グラグラ動く歯は、歯周病になりやすく、進行も極端に速くなります。

■虫歯のない歯を抜く羽目に……

気をつけるべき歯周病の前兆を伺ったが、症状が出てから受診するのでは、やはり遅いのかもしれない。できれば予防を心掛けたい。

丸山院長も「歯周病は初期の段階では、ほとんど自覚症状がありません。症状が出てから来院した場合、中期以降に進行してしまっているケースが多いようです」と述べ、「少し歯茎が腫れたとしても、数日後には落ち着いたとかを繰り返すケースも多い」と注意を促す。

その結果どうなってしまうのか。

「数十年も虫歯になったことのない人が、歯が痛くなり来院した場合、歯周病が進行していたため抜歯になるケースが時々あります。歯は虫歯もなく健康な状態のままなのにです」(丸山院長)

丸山先生は「抜いた歯を見ると、詰め物や被せ物のない綺麗な歯で、もったいない感じがします」とため息をつく。

「広範囲に進行した歯周病の治療は、時間もコストもかかる上、治療時や治療後の痛みを我慢しなければならなかったりします」(同)とも。

歯に自信がある人も、歯科医で健診を受ける習慣を身に付けた方がよいようだ。

●専門家プロフィール:丸山和弘
1993年、歯科大卒業後に歯科医師国家試験合格。仙台市東邦歯科診療所勤務を経て、95年から地域密着型の歯科医師として、丸山歯科医院で診療に当たる。情報発信サイトへの執筆活動のほか新聞、雑誌、ラジオなどにも積極的にコメントを出している。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)