2012年のサイト開設以来、ほんの5年ほどで日本最大級の家具・インテリア通販サイトに急成長した「フライミー」。何がここまで消費者の心を掴んだのでしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、同社成功の裏にある「秘密」を図を用いてわかりやすく分析・解説してくださっています。

急成長を支えるもの

日本最大級の家具・インテリア通販サイトを運営している企業を分析します。

● フライミー(家具・インテリアのネット通販)

戦略ショートストーリー

家具やインテリア、デザインにこだわる方をターゲットに、「透徹」を大切にする価値観とコーディネート力に支えられた「日本最大級の品揃え」などの強みで差別化しています。

400以上のブランドと2万点以上の商品から目当ての商品が探しやすいサイトに加えて、インテリアコーディネーターによる提案などにより顧客の支持を得ています。

分析のポイント

急成長を支えるもの

「フライミー」がサイトを開設したのは2012年2月とのことです。

サイト開設から、約5年半くらいということですから、それほど歴史があるわけではないにもかかわらず、現在は、日本最大級の家具・インテリア通販サイトとなっていることは、すごいと思います。

今回は、「フライミー」がサイト開設から数年の間に日本最大級のサイトになった要因を考えてみます。

まず、あげられるのが設立当初は、目立った競合がいなかったということです。坂本社長のコメントがHPに記載されていましたので一部引用します。

FLYMEeの原点は、かつて自分にとっての最適な空間を作ろうと試行錯誤していた私が、家具・インテリア探しで苦労し、不便を感じた際、こんなサービスがあったら…と感じていたところにあります。

このコメントからもわかるように、「フライミー」というのは、世の中になかったものを形にしたものだということですね。そして、同じように不便を感じている方が多かったからこそ、その不便を解消するサービスとして、「フライミー」が世の中に受け入れられたのだと思います。

そして、もう一つ、大きな要因だと思われるのが、プラットフォームの効果です。ネットでビジネスをする上で非常に重要なポイントとなりますので理解しておくことを強くお勧めします。

プラットフォームとは、2つ以上のユーザーグループを結びつけるための「場」のことです。今回の事例でいうと「場」が通販サイト「フライミー」で、2つ以上のグループというのが、「フライミー」という「場」を利用する「利用者(顧客)」と「家具ブランド」になります。

そして、プラットフォームの効果とは、どのようなものがあるかというと、主に下記の3点があります。

外部ネットワーク効果

ユーザーから口コミが生まれ、他のユーザをプラットフォームへ流入させる効果相互ネットワーク効果

ユーザーグループ1が増えれば増えるほど、ユーザー2が増える効果

→今回の事例でいうと、「利用者(顧客)」が増えれば、出品したい「家具ブランド」が増える。そして、「家具ブランド」が増えれば、品揃えが充実し、「利用者(顧客)」が増えるという効果です。この効果がうまく回りだすと、雪だるま式にプラットフォームのユーザーが増えていきます。リテンション効果

ユーザーが流出しにくくなる効果

文字だけでは、わかりにくいと思いますので、図で見てみましょう。

いかがですか。外部ネットワーク効果と相互ネットワーク効果により、ユーザー(顧客と家具ブランド)が増えていって、しかも流出を防止するリテンション効果が働くことで、「フライミー」というプラットフォームが、どんどん大きくなっていくことがイメージできると思います。

つまり、「利用者(顧客)」と「家具ブランド」双方にとって「フライミー」が非常に重要な存在となっていく、成長の過程が見えるのではないでしょうか。

顧客を囲い込むという言葉がありますが、「フライミー」は「顧客」だけでなく、「家具ブランド」も囲い込んでいるということですね。まさに、プラットフォームの効果を活かし、その効果を最大限に享受した結果として、現在の日本最大級の家具・インテリア通販サイト「フライミー」があると言えそうです。

「フライミー」は家具業界のゾゾタウンを目指しているようですがゾゾタウンもプラットフォームの効果を活かしている企業の一つです。それ以外にも、Appleや楽天なども、プラットフォームの効果が成長に大きく貢献している企業です。

今後、「フライミー」がどのように発展していくのか非常に楽しみです。

◆戦略分析

■戦場・競合

戦場(顧客視点での自社の事業領域):家具・インテリアのネット通販競合(お客様の選択肢):大塚家具、IKEA など状況:インテリア業界の市場規模はやや拡大傾向のようです。

■強み

「幅広いジャンルの多種類のおしゃれな家具を日本最大級の品揃え(欲しいものが見つかる)」

取り扱い商品数2万点、独自の取り扱い商品も多数(全体の2割程度)インスタ映えする家具、テレビドラマで使われた家具なども多数取り揃える

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

「『透徹』を大切にする価値観とコーディネート力」

フライミーが大切にすること

「透徹(とうてつ=澄んで濁りのないこと)」

→家具ブランドの世界観を壊さない白をベースにした透き通ったサイトを用意し、広告もない。これが、ブランドからも支持されています。テレビドラマのセットのコーディネートを手掛けるスタッフがいます。

上記のような価値観や能力が強みを支えています。

■顧客ターゲット

家具やインテリア、デザインにこだわる方

◆戦術分析

■売り物

「おしゃれな家具・インテリア(全て正規品)」

取扱ブランド数は400以上、2万点以上の商品を品揃え

→他社が扱っていない商品は全体の2割程度自社ブランドも扱う

どんな場面でも使いやすい「FLYMEe BASIC」など

■売り値

「定価販売」

→様々なブランドを扱っているため、価格帯は幅広い

例えば、テーブルは最も安いもので 5,400円、最も高いものは200万円を超えます

■売り方

探しやすいサイト

→カテゴリー、ブランド、テーマ・カラー、インテリアコーディネートなど様々な視点で検索できますテレビドラマで使われた家具など、インテリアコーディネーターが提案します1万円以上で送料が無料会員限定のセール

■売り場

自社通販サイト「フライミー」TSUTAYAが運営する運営の情報サービス「T-SITE」にて、インテリア情報を提供

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: FLYMEe

出典元:まぐまぐニュース!