米国の市場調査会社IDCがこのほどまとめた、世界スマートフォン市場に関するリポートによると、今年(2017年)の年間出荷台数は、14億9750万台となり、前年比伸び率が1.7%にとどまる見通し。

 世界スマートフォン出荷台数の前年比伸び率は、昨年2.5%となり、市場始まって以来の1桁成長を経験した。もはやスマートフォン市場は、かつてのような急成長を遂げることはないようだが、IDCによると、少なくとも市場は、今後4年間、安定した成長で推移するという。

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安定成長のカギを握る要素とは

 そのカギを握る要素は2つあると同社は分析している。その1つは、いまだスマートフォンを利用してない人々。IDCの推計によると、昨年末時点で、世界のスマートフォン利用者数は、世界人口のほぼ半分に達した。このことは、今後、初めてスマートフォンを購入する人が大勢いることを意味し、市場がまだ十分に成長の余地があることを示していると、同社は指摘する。

 そしてもう1つは、2年周期の買い替え需要の継続。北米、西欧、日本、韓国では、すでにスマートフォンが十分に普及しており、上述したような初めてスマートフォンを買うという人が少ない。しかし、これらの市場では、多くの人がほぼ2年周期で、スマートフォンを買い替えており、この傾向は今後しばらく続くと同社は見ている。

 そしてこれら2つの要素が、世界スマートフォン市場の安定成長につながり、市場は2021年まで、年平均3.3%の成長率で拡大していくと、IDCは予測している。

AndroidとiOSによる複占

 一方、スマートフォンのOS(基本ソフト)別出荷台数に関する分析では、米グーグルの「Android」と米アップルの「iOS」(つまりiPhone)は、おおむねこれまでと同じシェアで推移する見通し。

 IDCが予測する今年における、Androidの出荷台数シェアは85.2%、iOSは同14.6%。2021年にはそれぞれ、85.5%、14.4%で推移すると同社は見ている。

 また、これ以外のOSの合計シェアは0.1〜0.2%。それらのOSについて、IDCは「消えゆくプラットフォーム」と手厳しい表現をしている。

市場を牽引するのはファブレット

 スマートフォン市場は、画面サイズが大きい(5.5インチ以上)、いわゆる“ファブレット”が牽引していくとIDCは見ている。その今年のおける出荷台数の前年比伸び率は約35%。またこれらファブレットの平均販売価格は今年、9%上昇するという。

 同社が予測する今年の全スマートフォン出荷台数に占めるファブレットの比率は40%。これが2021年には51%にまで拡大するとしている。

 また今年はアップルが、iPhoneの10周年モデルを市場投入すると予測されている。iPhoneの年間出荷台数は昨年、前年比で7%減少した。しかし今年は、同1.5%増加し、10周年モデルの効果が本格的に表れる2018年は、同9.1%増加するとIDCは予測している。

(参考・関連記事)「iPhoneの2017年モデルは9月12日に発表か」

筆者:小久保 重信