豪州戦の予想スタメン。長谷部を軸に、井手口、柴崎の可変式トライアングルで中盤を制し、勝利を引き寄せたい。

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 8月31日のオーストラリア戦(ホーム)で勝利を収めれば、日本の6大会連続ワールドカップ出場が決まる。引き分け以下なら、9月5日のサウジアラビア戦(アウェー)が運命の一戦となる。
 
 できれば、過酷な戦いが予想される敵地でのサウジ戦までは持ち越したくない。となれば、オーストラリア戦で決着をつけるのが理想で、この大一番は“勝たなければいけない”試合だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も前日会見でその言葉に力を込めた。
 
「我々は勝ちに行く。決断力を持って、勇敢に戦いたい」
 
 勝点3のみを追い求めるなら、本田圭佑が「大事な試合でこそ、強気でいけるかどうか」と語るように、オーストラリア戦はよりアグレッシブに、ゴールを目指す戦いが求められる。どれだけ攻撃的に振る舞えるか。その点を重視すれば、システムはいつもの4-3-3だが、中盤の形はダブルボランチ+トップ下の三角形ではなく、2枚のインサイドハーフ+アンカーという逆三角形と見る。
 
 アンカーを務めるのは、キャプテンの長谷部誠だ。右膝の負傷で今年の代表戦を欠場してきただけに、この一戦に懸ける想いは誰よりも強いはず。代えの利かない精神的支柱としても、こうした大勝負では少しでも長くピッチにいてほしい存在である。

  10番の香川真司は故障明けで、ドルトムントでもまだ試運転を始めた段階。いきなりのスタメンはリスクが大きすぎるだろう。そこでインサイドハーフのひとりは、6月のイラク戦でも先発(当時はボランチ)した井手口陽介が適任か。この男の前に出ていく推進力は力強く、攻撃に厚みをもたらすと同時に、高い位置での守備力も兼備。抜群のボール奪取からショートカウンターの起点になりそうだ。
 
 もうひとりは、約2年ぶりに代表復帰を果たした柴崎岳か。「こういった大舞台は慣れている」とコメントする25歳は、スペインに渡って非凡な攻撃センスはもとより、守備戦術も著しく向上しており、攻守両面でのフル稼働が期待できる。
 
 勝たなくてはならないゲームだが、負けることも許されない。いかにオーストラリアの攻撃をストップさせるかも大事になる。ボランチでも機能する井手口と柴崎なら、状況によってはひとつ下がり、長谷部とダブルボランチを組むこともできる。

 インサイドハーフ2枚+アンカーから、1トップ下+2ボランチへ。中盤のこの“可変式トライアングル”で、ミドルゾーンの攻防を制したい。
 一方、3トップはCFに大迫勇也、左に原口元気、右に久保裕也が現状のベストな編成だろう。とりわけ原口は前回のオーストラリア戦でゴールを決めているだけに、良いイメージを持って今回の試合にも臨めるはずだ。

 ベンチは経験豊富な本田圭佑と岡崎慎司、ドリブルの乾貴士、スピードの浅野拓磨、そしてJリーグで絶好調の杉本健勇とまさに多士済々。まずは大迫、原口、久保でスタートし、状況に応じた采配を見せればいい。
 
 守備セクションは、GKが川島永嗣、4バックが右から酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都といつもの顔ぶれが並ぶだろう。吉田と昌子はCBコンビを組んでこれでまだ3試合目だが、試合を重ねるごとに息が合ってきている。短い準備期間で、どこまで連係を深められているかがひとつのカギになる。
 
 かつてのようにフィジカルを前面に押し出したパワープレーに頼らず、“繋ぐ”傾向にある現在のオーストラリアをいかに攻略するか。長谷部の見立てはこうだ。
 
「オーストラリアは今の監督になってから、ポゼッションを重視するようになった。フィジカル重視のサッカーよりは、やりやすいかなという部分はあります。
 
 ただ、自分たちがプレスをハメに行ったら、無理して繋がずに蹴ってくる時もある。向こうがどういうメンバーで出てくるか、様々な想定はしていますけど、自分たちのやり方としては、ポゼッションの対策はかなりやっています」
 
“ボールの握り合い”でどれだけ優位に立てるか。その意味では、やはり中盤の出来が勝負を左右しそうだ。もっとも、長谷部も言うように、地上戦ではよりテクニカルで、よりアジリティに優れる日本のほうに分がある。
 
 世界の強豪と手合わせできた今夏のコンフェデレーションズ・カップを経て、敵は自分たちのサッカーに相当の自信を持っているようだが、臆する必要はない。地の利を生かし、大声援を力に変えて、ロシア行きのチケットを掴み取りたい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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