改めて氣志團の楽曲をチェック

リーゼントに学ランの結成時と変わらぬヤンキースタイルで、結成20周年を迎えた今なお一線で活躍し続けている氣志團。


8月には20周年記念アルバム『万謡集』をリリース。9月にはフェス形式になって6年目となる『氣志團万博2017 〜房総与太郎爆音マシマシロックンロールチョモランマ〜』を地元・千葉の袖ケ浦市で開催と、結成20周年の記念イヤーを爆走中だが、彼らが今も一線で活躍し続けている理由のひとつとして、綾小路 翔の“時代を見る目”があったと思われる。


ここではこれまでの氣志團の活動、ロックバンドのみならず、フェスとは無縁の一流歌手やアイドルを招聘して毎年話題を集めている『氣志團万博』を通して、“千里眼”とも言える、彼の特殊な能力について考察したい。



 


今流行の“80年代リバイバル”を先駆けていた氣志團


振り返ればインディーズ時代、ライブハウスシーンに颯爽と登場するや、“氣志團現象”を自称する一大旋風を巻き起こし、その名を全国区へと一気に広めた氣志團。結成4年目、現メンバーになってわずか2年目の2001年、満を持してのメイジャーデビューを果たす。



デビュー後も驚異的スピードでメイジャーシーンのハイウェイを駆け抜けた氣志團は、デビューわずか3年目の2004年に、ロックバンドとしては史上最短のスピードで、東京ドームワンマンGIGを達成。


バンドブームがひと段落し、女性シンガーやダンス、HIP HOPを中心とした新しい時代に移行しつつあった2000年代前半。メイジャーへ戦場を移しても“ヤンキー”“80年代リバイバル”という時代錯誤なスタイルを貫いた氣志團の成功は、異例中の異例だった。


しかし、その成功がまぐれ当たりや偶然ではなく、綾小路が時代を見据えたうえで、その時代錯誤感にこそ勝機を見出していた必然なのかも知れないと考えると、彼に先見の明があったと言わざるを得ない。


その後、2000年後半に訪れる空前のK-POPブームを占うように、2006年にはDJ OZMAが韓国のヒット曲、DJ DOG「RUN TO YOU」を日本語カバーした「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」でデビューし、一世を風靡。綾小路は再び、持ち前の千里眼でシーンや時代を動かす。



 


当時、「邪道」と言われてたアイドルとの対バンを敢行


氣志團の活動を再開すると、2011年には『極東ロックンロール・ハイスクール』と名付けた、対バンシリーズGIGを開催。ここでは先輩ミュージシャンやヴィジュアル系、アイドルとジャンルを超えた異種格闘技戦を行い、“氣志團万博”へと繋がる礎を構築。


まだどこかに音楽のジャンル分けが根づき、「ロックバンドとアイドルが対バンするなんて邪道」という風潮があった当時、そんな常識を覆す対バンシリーズGIGは画期的だった。恐らく、このイベントを立ち上げた段階で、フェスの開催や具体的な構想はなかったと思われるが。このシリーズGIGこそが、“氣志團万博”の原型になってることは間違いない。


そしてフェスブームの到来で、全国各地で新規の夏フェスが開催されていた2012年。氣志團は自身主催によるフェス形式での“氣志團万博”を初開催。発表当初、ももいろクローバーZ、ゴールデンボンバー、VAMPS、湘南乃風、浜崎あゆみなど、ジャンルレスかつ豪華ラインナップに驚嘆の声が上がったが、「こんなのロックじゃない」、「何がしたいかわからない」と異論を唱える人がいたのも事実。


しかし、綾小路が「ジャンルにとらわれず、ライブ最強の本物だけを集めた」と語るラインナップを見れば、人気者だけを集めたショーケース的なフェスや、客寄せ目的の利益重視のフェスでないことは一目瞭然。


音楽マニア向けの『FUJI ROCK FESTIVAL』、洋楽中心の『SUMMER SONIC』、邦楽ロック中心の『ROCK IN JAPAN FES』といった巨大フェスに比べると、「ライブ最強の本物」という綾小路の主観だけで集められたラインナップは、その特色を一発で説明するのは難しいが。


 


唯我独尊な綾小路翔のスタイルに時代が追いついた


『氣志團万博』を実際に体感してみると、そのラインナップに一本筋が通ってることも理解できるし、そもそも音楽をジャンルや枠組みで語ることがナンセンスとさえ思えてくるから不思議。


また、他の巨大フェスもジャンルの垣根が崩壊し始め、フェスの色とは異なるアーティストが出演。毎年、熱心に通うファンからの批判も受けながら、少しずつ変化を見せていったのもこの頃から。


“氣志團万博”も意識が時代と共に変化し、「ジャンルなど関係なしに良いものは良い」と考えるようになった、現在の音楽ファンのニーズに合ったフェスの形を見出した、綾小路の時代を見る目が生んだ成功例のひとつと言えるだろう。


フェスとして年々成長し、明らかにスケールアップしている“氣志團万博”は、今年もありえないラインナップを揃えて、9月の開催を待つばかり。また20周年を経て、綾小路の千里眼には氣志團の今後の未来がどう映っているのか? これからの氣志團、綾小路のアクションからも目が離せない。


TEXT BY フジジュン



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