マンUの黄金期を支えた闘将キーン(右)は、移籍金が高騰し続ける市場に苦言を呈した。 (C) Getty Images

写真拡大

 この夏の“移籍金バブル”に首をかしげる人は少なくない。マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドで、アイルランド代表のアシスタントコーチを務めるロイ・キーンもそのひとりだ。
 
 今夏の移籍市場では、パリ・サンジェルマンが、2億2200万ユーロ(約284億円)という史上最高額でバルセロナからブラジル代表FWネイマールを獲得。さらに、モナコのフランス代表FWキリアン・エムバペの獲得にも迫っているとされ、来年と見られているその買い取り額は1億8000万ユーロ(約230億4000万円)といわれている。
 
 ネイマールを失ったバルセロナは、その穴を埋めるべく、ボーナスを含めた総額1億4500万ユーロ(約185億6000万円)という史上2番目に高い金額で、ドルトムントからフランス代表MFのウスマンヌ・デンベレを買い付けた。
 
 そしてバルサは、リバプールのブラジル代表MFフィリッペ・コウチーニョの獲得にも、クラブ史上最高額となる1億6000万ユーロ(約204億8000万円)を提示したと、スペイン紙『マルカ』が報じている。
 
 マンチェスター・ユナイテッドがユベントスからフランス代表MFポール・ポグバを獲得し、移籍金の史上最高額を更新したのは、わずか1年前のことだ。だが、今では、「100億円超移籍」が当たり前のように報じられるようになった。

 一部のビッグクラブだけではない。昨今のマーケットでは、数多くのクラブが移籍金の“自己ベスト”を更新している。
 
 英紙『テレグラフ』によると、キーンは会見で移籍市場の現況について、「度肝を抜かれる。平均的な選手の金額を考えればなおさらだ」と発言。トッププレーヤー以外の価値も高騰していることに驚きを示した。
 
「プロサッカー選手になるべき時代があるとしたら、今だろう。平均的な選手でも3000万ポンド〜4000万ポンド(約43億5000万円〜58億円)なら、頭をかきむしってしまう。でも、クラブに支払う用意があるのなら、選手たちの責任ではない」
 
 キーンは、マンチェスター・Uの同僚だったルート・ファン・ニステルローイやデイビッド・ベッカム、ライアン・ギグスといったレジェンドたちが、現在の市場なら莫大な市場価値を持つと指摘する。
 
「(今の市場なら)ルートは確実に10億ポンド(約1450億円)の価値があるだろうね。ベッカム? 彼も10億ポンドだよ。ギグス? 20億ポンド(約2900億円)だ」
 
 一方で、現在のマーケットにおける自身の価値を問われると、キーン氏は「375万ポンド(約5億4000万円)かな」と、笑いを誘った。
 
 テレグラフ紙は、375万ポンドという金額が、ノッティンガム・フォレストからマンチェスター・Uがキーンを獲得した際に支払った移籍金と伝えている。キーンが移籍したのは、1993年のこと。それから24年で、サッカー界を取り巻く金銭価値は大きく変化している。