ジェームズ・マティス米国防長官。ウクライナの首都キエフで(2017年8月24日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は29日、心と体の性別が一致しないトランスジェンダー(性別越境者)の人々に関してドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が命じた米軍入隊禁止措置について、既に入隊している場合は引き続き軍務に就くことになるとの考えを示した。

 トランプ大統領は7月、トランスジェンダーの人々が軍内で「いかなる地位」にあろうとも軍務を行うことを認めないとの考えを、国防総省側とのすり合わせを全くと言っていいほど行わないままツイッター(Twitter)を通じて突然発表。バラク・オバマ(Barack Obama)前政権がトランスジェンダーであることを公言した兵士の受け入れを認めた計画を覆した。

 トランプ大統領はさらに、トランスジェンダーの兵士の受け入れは「膨大な医療費と混乱」をもたらしかねないとして、今月25日にトランスジェンダーの人々の米軍入隊を事実上禁止する大統領覚書に署名した。同禁止措置は2018年3月23日に施行されることになっているが、既に米軍にいるトランスジェンダーの人々の処遇についてはマティス長官に一任されていた。

 マティス長官は29日に声明で、トランプ氏が指示した禁止措置の実施については慎重な構えを示し、国防総省は専門家委員会を設置して、「戦果につながる米軍の戦闘効率を最大限とすること」を中心に実施計画を立てていくことを発表した。

 さらに、実施に必要な承認を上層部全員から得る必要があるにもかかわらずホワイトハウス(White House)の対応が遅れていることへの非難とも受け取れる意見を述べるとともに、「この取り組みに関しては間もなく着任する国防総省の文民指導部が重要な役割を果たす」と明言。その間、既に米軍にいるトランスジェンダーの人々に対するこれまでの方針が改められることはないと述べた。

 トランプ政権は、トランスジェンダーの米軍入隊を再度禁止するのは憲法違反だとしてトランスジェンダーの団体や兵士らから提訴されている。今月28日には、トランプ氏の命令に異議を唱えるトランスジェンダーの兵士数人の代理を務める米国自由人権協会(ACLU)からも訴えを起こされた。
【翻訳編集】AFPBB News