日本代表が思い描くオーストラリア攻略法 合言葉は3バックの「両脇」と「背後」

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選手が語る現オーストラリア代表の印象 「パスをつないで蹴ってこない」

 日本代表にとって、ワールドカップ(W杯)予選で最大の難敵であるオーストラリア代表をいかに攻略するのか――。

 来年のロシアW杯本大会への出場権を懸けた決戦が31日に迫った。2015年のアジアカップを制し、現在のアジア王者である“サッカルーズ”攻略法は、日本代表の面々の頭の中にしっかりとインプットされている。

 これまで「オーストラリア=高さとフィジカル」という図式が、どうしても日本人の頭の中に大きく存在していた。それは2006年ドイツW杯グループリーグ初戦での悲劇的な逆転負け(終盤の連続失点で1-3と敗戦)のイメージに始まり、オーストラリアがアジアサッカー連盟に加入して以降、対戦回数を重ねていくうちに醸成されていった部分がある。しかし、現在のオーストラリアはそれとは一線を画したチームになっている。

「高い選手もフィジカルがある選手もいるけど、蹴ってはこないので。彼らはすごくつないで、蹴ってこない。技術がしっかりしている」

 DF長友佑都(インテル)はこれまでオーストラリアと5試合の対戦経験があるが、そのイメージの変化をこう話す。さらにもう一つのポイントは、前述のアジアカップ制覇によって出場した今年6月のコンフェデレーションズカップで、世界を相手に“本気モード”のオーストラリアが3バックを採用していることだ。

香川「3バックの裏はドイツも狙っていた」

 3バックのウィークポイントはどこになるかという点で、浦和レッズで3バックシステムでプレーしていた経験のあるFW原口元気(ヘルタ)は「思うところはありますよ。一般的には3バックの脇のところ」と話した。だからこそ、日本代表の面々はその弱点を突くイメージを作り上げている。

 そのキーマンの一人になる左サイドバックの長友は、具体的な例を挙げて話した。

「3バックなんでね。中はやっぱり堅いのでサイドになるかなと思います。相手のフォーメーション的にも、サイドで数的優位を作って勝負をかければ優位に進められると思います。中は堅いですね、かなり。ただ、その裏や速いカウンターがかなり効いてくると思う」

 また、日本代表の攻撃のタクトを振るうMF香川真司(ドルトムント)も、「(相手が)前から来れば、3バックの裏はコンフェデのドイツも狙っていたポイント。(相手が)引いたら逆にバイタルエリアを使えるし、サイドバックがボールを触ればいい。僕たちのペースで相手を動かしながら、距離感良く3人目、4人目の共通意識ができた時に必ずチャンスになる」と、切り崩しのイメージはでき上がっている。

 そしてDF吉田麻也(サウサンプトン)は、センターバックの視点として「後ろの選手は長身だけど、アジリティーに問題がある選手が多い。コンフェデでも2列目から飛び出す選手に全然ついていけていないので、うちがそういう形をいくつ出せるか」と、その弱点を分析した。機動力のある日本アタッカー陣にとっては、狙いどころの多いことが予想される。

連動性や運動量で相手を上回れるか

 サイドで作る数的優位を起点に、敏捷性に難がある3バックの背後へ2列目の選手が飛び出していく。それがオーストラリア攻略法になると、日本の選手たちは考えている。互いに採用するシステムが噛み合わないゲームは、連動性や運動量といった日本の長所が違いを生みやすい状況にある。

 ひと足先に行われた29日のゲームで、グループB2位のサウジアラビアが敵地でUAEに1-2と敗れた。これにより日本は、仮にこのオーストラリア戦で引き分け以下に終わっても、最終戦でサウジアラビアに引き分け以上の結果を収めれば自力で6大会連続のW杯出場権を獲得できる。

 もっとも敵地での最終戦であることを考えれば、W杯予選でいまだ勝ったことのない難敵オーストラリア相手とはいえ、勝ち点3を奪って突破を決めたいところ。大きなプレッシャーがかかる大一番となるが、敵陣を切り裂くハリルジャパンのサイドアタックがロシア・ワールドカップ本大会への切符を引き寄せることになるはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images