中国外交部(中国外務省)が29日午後に開催した定例記者会見では、北朝鮮のミサイル発射問題について質問が集中した。資料写真。

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北朝鮮は29日早朝、弾道ミサイル1発を北東方向に発射した。ミサイルは日本の北海道の上空を通過し、北太平洋に落下したとされる。中国外交部(中国外務省)が同日午後に開催した定例記者会見では、同問題についての質問が集中した。華春瑩(ホア・チュンイン)報道官の回答では、北朝鮮への制裁について中国が示す姿勢についての矛盾が改めて露呈することになった。

華報道官は北朝鮮のミサイル発射を、「国連安保理の決議に明確に違反するもの」と改めて批判。その上で、日米が示している制裁強化について「問題を根本的に解決することにはなりえない」と評した。さらに北朝鮮の問題については「本質は安全問題であり、背景にあるのは米朝、南北朝鮮の矛盾」と論じ、米韓が演習実施など軍事的圧力を絶えず高めていることを批判しなければならないと主張した。

華報道官は国連の安保理決議についても「制裁は回を追うごとに厳しくなっているが、現在に至るまで効果を挙げただろうか」などと疑問を示した。

華報道官は29日の記者会見でこれまで通りに中国は安保理決議を厳格に実施し続けていると主張した。中国は国連安保理の常任理事国であり、中国が反対すれば安保理決議は採択されない。華報道官の説明によれば、中国は「効果が出ない」と主張する安保理の制裁決議に賛同し続けてきたことになる。

華報道官は安保理決議について、交渉再開に努力し、外交と政治により平和的に問題を解決することを求める内容があることに注目してほしいと主張した。しかし8月5日に採択された最新の決議でも、30ある項目のうちで北朝鮮に対する非難と安保理の方針確認が5項目、制裁についての記述が21項目、対話の努力に触れた記述が2項目、北朝鮮国内の人道問題への懸念が2項目であり、制裁強化に力点を置いた内容であることは明らかだ。

29日の中国外交部の記者会見では、北朝鮮に対する方針について制裁強化に反対しながら、国連安保理の場では制裁強化に同意せざるをえない中国外交の矛盾が改めて露呈することになった。

記者会見では国連安保理で米国などが北朝鮮制裁の追加を提案した場合の中国の態度についての質問も出たが、華報道官は「仮定の問題であり、回答したくない」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)