27日、韓国・チャンネルAは、観光客を呼び込むため街を壁画などのアートで飾った「壁画村」が韓国各地に増える一方、一部の村では壁画が消され始めていると報じた。写真はソウル梨花村、「人間らしく生きたい」などの訴えが書かれている。

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2017年8月27日、韓国・チャンネルAは、観光客を呼び込むため街を壁画などのアートで飾った「壁画村」が韓国各地に増える一方、一部の村では壁画が消され始めていると報じた。

まず紹介されたのは、韓国第二の都市・釜山(プサン)の甘川(カムチョン)村。山の急斜面に小さな家が立ち並び、その間をごく細い坂道や階段が走る。一時は釜山でも「最も老朽化した地区」と呼ばれたが、数年前から通りや塀を壁画などが飾るようになり、今では海外からも観光客が訪れる人気のアートスポットとなった。しかし、地元で観光客を歓迎する声は少ない。住民たちはごみのポイ捨てや落書きに悩まされ、夏でも窓も開けられない生活をしているという。また、商店を営む住民は「2カ月前に家賃が突然3倍近くに上がった」とこぼす。

ソウルの壁画村として有名な梨花(イファ)地区はさらに深刻だ。ここで最近目立つのは、アートよりも観光客へのマナーを呼び掛ける注意書きだ。「頼むから静かにしてくれ」と住民の怒りの声がこもった文字も目に付く。住民によれば、騒音や落書きは当たり前のようにあり、家の物が持ち去られる例も多いためだ。ある住民は「家の門を開けておくと靴を持って行かれるので、いつも閉めるようにしている」と話す。

この地区は韓国の壁画村の「元祖」的な存在で、海外からの観光客も多く訪れていたが、問題が絶えず、一部人気の壁画を塗りつぶすという残念な対応をせざるを得なかったという。また最近では、観光客を呼び込みたい店の経営者らと、同地に暮らす住民の間で対立も起こっているそうだ。

最初の例の釜山甘川村では、自治体と協力し、観光収益を住民にも還元できる仕組みをつくるなど問題の前向きな解決に乗り出しているというが、チャンネルAは「無分別な観光村を造成する以前に、住民に配慮する制度の整備や意識の改善が急がれる」と伝えた。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「僕はもともと壁画村は好きじゃない。貧しい村です、と宣伝してるような感じだしね」「何であれ金に結び付けようとすると苦しみを伴う」「壁や階段に粗悪な絵を描くのはもうやめて。何でもありのままが一番美しいものだよ」「住民が暮らす地域を商業地に用途変更しようとするからいけない」など、観光客誘致のための壁画村造成に反対の声が数多く寄せられている。

また、「カメラを提げて動物園見物でもするみたいに歩く人たちが問題」「まずごみの問題が改善されないと先進国にはなれない」と観光客のマナーの問題を指摘する声も目立った。(翻訳・編集/吉金)