肖像権や著作権などの侵害、そして背任罪...SNSの「いいね!」欲しさに写真をあれこれアップしていると、知らない間にとんでもない法律違反を犯している可能性もある

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ビジネスでもプライベートでも、コミュニケーション手段として欠かせない存在になっているSNS。様々なシーンでせっせと写真を撮って、こまめにアップしているビジネスパーソンも多いだろう。ただし、SNSは写真をアップした瞬間に不特定多数の人の目に触れるだけに、その扱いには細心の注意が必要だ。(取材・文/清談社)

「社内で気軽に写真を撮っただけ」でも
思わぬトラブルになる可能性が!

 SNSを通じて“違法行為”が発覚するケースは少なくない。ここ最近では、電車の線路内に撮影した記念写真をSNSにアップした芸能人が、鉄道営業法違反の疑いで京都府警右京署に書類送検されるという事件があった。

 また、ある若手俳優がジェットコースター搭乗中の自撮り写真をSNSにアップし、ファンから「携帯持ち込み禁止なのでは?」と指摘され、物議を醸している。
 
 これらの炎上事例はタレントの“有名税”とも言える。しかし一般的なビジネスマンでも、不用意に撮影した画像をアップしたことでトラブルに巻き込まれたり、最悪の場合には「犯罪」となってしまうケースもあるのだ。そこで、ビジネスマンが何気なくSNSに写真をアップすることで犯罪となってしまう可能性のある行為を、弁護士法人戸田総合法律事務所の延時千鶴子弁護士にジャッジしていただいた。

 「犯罪性のあるSNS写真」といっても、その判断のタイミングは「写真を撮影する行為そのもの」、その写真を「アップロード(=公開)する行為」、そして「写真に収まっている行為の内容」に分けられ、それぞれ問題が異なってくるという。

「まず前提として、写真を撮影・アップロードする行為は、被写体の権利侵害との関係で問題となることがあります。例えば、写真の対象が人物なら肖像権、有名人の場合はパブリシティ権。対象が物品なら、その著作権や商標権が問題になりますし、建物などの写真の場合、撮影するための立ち入りが建物の管理権に抵触する可能性があります」(延時弁護士、以下同)

 何気なく撮った写真のなかに、様々な権利が内包されている可能性があるということだが、では「会社内で自撮りした写真をSNSにアップしたが、その写真に同僚や会社の資料も写っていた」という場合は何が問題になりそうだろうか?

「同僚については、撮影の承諾を受けていないと肖像権侵害になる可能性があります。会社の資料については、企業情報が漏洩する恐れがあるため、写り込んでしまったことを認識しながらアップした場合には背任罪に該当する可能性がありますね。その他、資料が著作物に該当するものである場合、著作権侵害に該当するおそれもあるため、会社内で撮影した写真のアップには注意が必要です」

 特にこの「肖像権」は素人には判断するのが難しい。「飲み会やパーティなどで来場者と記念写真を撮り、被写体の承諾なくSNSにアップする」ということは、日常的によくある行為だが?

「カメラに顔を向けて映っている記念写真ならば、SNSにアップする行為が当たり前なっている現代では被写体の黙示の承諾があると解されますので、犯罪にならないのはもちろん、民事上も肖像権侵害の問題になることは少ないです」

 では、仲間同士の集まりなどで、「知人の子どもの写真を撮り、本人及び保護者の承諾なくSNSにアップする」のは?

「このケースも犯罪には該当しません。しかし、事前に被写体がアップを拒否していたり、事後的に削除を求められたのに対応しない場合には、肖像権侵害になる可能性があります。特にお子さんについては、親御さんは写真を撮らせたからといってアップについては黙示的にも承諾していない場合が多いと考えられますので、アップする際は確認を取った方が良いでしょう」

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