メイウェザー(右)がボクシングルールでマクレガー(左)を圧倒した世紀の一戦は、場外戦で訴訟騒動に。(写真:ロイター/アフロ)

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プロボクシングの元5階級王者のフロイド・メイウェザーが、UFCの2階級王者コナー・マクレガーを10回TKOで破った世紀の一戦は、その余波が止まらないほどのビッグファイトだった。当日のネットによる中継を巡り場外で問題が勃発、訴訟問題にまで発展したのだ。

 当日の試合は、全米の巨大有料ネットワークのひとつである「Showtime( ショータイム)」が 、視聴料金の99ドル(約1万773円)をとってPPV放映したが、同額料金が必要なネット中継でテクニカルトラブルにより視聴できなかった人たちが多数発生、提供元のショータイムを相手取り集団訴訟を起こしたのだ。

 複数の米国メディアが報じたもので 今回集団訴訟を起こしたのは、米オレゴン州のファン。「料金を支払ったのに視聴できないのは合法的な取引ではない。ショータイムに料金を支払いながら視聴できなかった個人に200ドル(約2万1773円)を賠償金として支払うこと」を求めているそうだ。

 米ヤフーの記事によると、「試合当日のツイッター上には、UFCファイトパスと、ショータイムストリームズで、試合を視聴できないとの不満があふれた。スポーツのストリーミングによる生中継という革命に技術が追いついていないことを示すものだ」と、今回、視聴できなかったファンのほとんどがネット中継で、一斉に大勢の人が視聴するスポーツ中継に、インターネットを通じて視聴するストリーミングの技術が追いついていないことを指摘した。

ショータイム側は、この訴訟についてコメントしていないが、米ヤフーファイナンスの取材に対し広報担当は、 「我が社に届いている苦情は多くはありません。我々は細心の注意を払い、調査し、それに適切に応じるつもりです。ショータイムから、オンラインの配信やアプリで視聴できなかった人には全額返金します」と、コメントしている。

 ただ、この記事の筆者は「ショータイムのプラットフォームは比較的新しいもので、多くの人が視聴するイベントをスムーズに中継できるのか、疑問は持たれていた。しかし、100ドル(約1万885円)の料金設定をすれば、顧客はそれなりの期待をする。視聴者数がこれまでのイベントを更新するということは、事前に分かっていたはずだ」と、ショータイムの準備不足を批判した。

 同記事は、「テクニカルトラブルの発生により、伝統的なテレビ放送のほうが、流行のインターネット中継よりも頼りになるように見えた」と、皮肉をこめて締めくくった。

 この訴訟騒動は、それだけ多くの人が視聴したという証だろうが、ボクシングの専門サイトである「ボクシングシーン・ドット・コム」によると、今回の世紀の一戦の正確な視聴者数が集計されるのは1、2週間後だが、2015年のメイウェザー対パッキャオ戦の視聴者数を上回る可能性が高いという。2015年のメイウェザー対パッキャオのメガファイトも、契約が440万件、売り上げは4億ドル(約480億円)に達していた。

 同サイトは、「481シアターでの中継の売り上げは240万ドル(約2億6129万円)。(課金制の)ペイ・パー・ビューの売り上げは米国内で5億ドル(約544億円)、世界的には7億ドル(約762億円)と推測されている」と伝えた。

 しかし、視聴料金を支払いながら、ビッグファイトを視聴できなかった人がいる一方で、違法な中継を無料で視聴した人々が、300万人もいたという。

 デジタル・プラットフォーム・セキュリティの会社の発表によると、当日、「239」個の違法なストリーミング中継があったという。違法なストリーミング中継を視聴したのは、約293万人。「239」個の違法なストリーミングのうち、「165」個がフェイスブック、ユーチューブなどのソーシャルメディアを通じてで、「67」個が違法なストリーミングサイトを通じて拡散したものだったという。

 米フォーブス誌は、サイバーセキュリティー会社に無料視聴を防止する対策について取材しており、「違法なスポーツ中継と戦うには、違法行為をやめさせるスピードがとても重要だ。特別な知識とテクノロジーが必要だ」という。違法サイトが氾濫するほどの注目の一戦で、動いた巨額マネーも含めて、すべてが規格外の世紀の一戦だった。