日本代表FW浅野拓磨(シュツットガルト)は約5か月近くにわたって公式戦でゴールから遠ざかっている。それでも強烈な個性が買われて招集された快足ストライカーは「ゴールで貢献したいという強い気持ちを持っている」と自らの価値と向き合い、W杯出場が懸かった31日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)に臨むつもりだ。

 4月9日に行われた昨季ブンデスリーガ2部の第28節・カールスルーエ戦で2得点を挙げたのを最後に公式戦でゴールがない。合宿3日目となった29日の練習後、報道陣の取材に対応した浅野は「なかなかゴールという結果が出ていない」と自ら切り出した。

 日本代表での得点は昨年9月6日に敵地で行われたW杯アジア最終予選・タイ戦(2-0)までさかのぼる。同年代の若手も台頭してくる中、定位置を獲得するには至っておらず、「競争は激しくなっている。自分はまだ(立場が)確立された選手ではない」と危機感も強めている。

 一方で「海外でシーズンを経験して、その中で代表に呼んでもらって、メンタル面で成長してきた」という進歩の自覚もある。「今は落ち着きや心の余裕が生まれているし、それがプレーのプラスになればいい」と気負いはない。

 所属クラブでは今季、ブンデスリーガ1部に初挑戦。「開幕から日本人対決が2試合続いて、1部でプレーする楽しさを実感してきた。1部と2部で明らかな違いは感じないし、2部でやってきたことに意味がなくはなかったんだと感じた。1部でもやれると思う」と手応えも感じている。

 だからこそ、足りないのはゴールという“結果”だけだ。バヒド・ハリルホジッチ監督からは「前に出る意識について、いつも言われている」そうで、試合を決める働きが求められていることを強く認識している。「こんなに日本中が注目している試合は初めて。ホームでプレッシャーもあるだろうし、どう感じるのかピッチに立ってみないと分からない」と率直に言った。

 とはいえ、広島では優勝争いを経験し、リオデジャネイロ五輪予選でも決定的な活躍を見せるなど、勝負強さを発揮してきた。「そういう場面では強い人間だと、半分は言い聞かせています。たくさんの人が応援してくれるほど自分の力が発揮される。これまでいろんな舞台で結果を出してきたように、自信を持って臨みたい」と覚悟を決めて、決戦のピッチに向かう。

(取材・文 竹内達也)


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