久し振りの日本代表復帰となった。15年10月以来、約2年間遠ざかる場所となったが、MF柴崎岳(ヘタフェ)は「選ばれたからにはしっかりと果たすべき責任があるし、この試合が持つ意味はしっかり理解している」と2日後に迫ったW杯アジア最終予選オーストラリア戦への意気込みを示した。

 16年に鹿島のJ1リーグ優勝に貢献し、年末のクラブW杯決勝・レアル・マドリー戦で2得点を奪って世界中に強烈なインパクトを残し、17年1月にスペイン2部のテネリフェに移籍。しかし、「すべての環境が違うので苦しいこともある」と語ったように、移籍直後は環境への順応に苦しんだ。だが、その経験があったからこそ、改めて気付いたこともあるという。

「海外に自分が行ったことで、(海外で)活躍している選手は改めてすごいと思うし、尊敬します。タフな環境や異国の地でやること自体が大変なことだと、自分が行かないと理解できないものもあった」。徐々に環境に順応し始めると、シーズン終盤にはテネリフェの攻撃の軸としてピッチ上で存在感を示し、プレーオフでは1得点2アシストとチームの全得点に絡むなど、自らの存在価値を改めて証明してみせた。

 チームは1部昇格を逃したものの、“個人昇格”を勝ち取り、今季からヘタフェに加入して戦いの場をスペイン1部へと移した。スペイン移籍直後は、確かに苦しんだ。しかし、「楽しいこともあるし、すべてが自分を成長させてくれるもの。こうやって、選手としても人間としても大きくなっていくんだろうと感じている」とスペインで生活することで、そしてプレーすることで成長を遂げている。

 加入したヘタフェでは背番号10を託され、開幕から2試合連続でスターティングメンバーに名を連ね、攻撃の潤滑油として好機も演出。その活躍ぶりを日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督に評価され、約2年ぶりの代表復帰を果たした。柴崎は再び代表のユニフォームを身にまとうことについて、「これも運命というか…」と前置きしつつ、自身の思いを語った。

「ベストを尽くして自分なりにサッカー人生を歩んでいれば縁がある場所だと思っているし、縁がなければ縁がないもの。自分が『選ばれたい』と思ってもコントロールできるものではないので、やるべきことをやって選ばれたのは一つ認められている証拠だと思う。選ばれたからにはしっかりと果たすべき責任があるし、目標もある。そこはしっかりと理解しながらプレーしたい」

 勝てば6大会連続のW杯出場が決まる大一番となるが、怯むことなどない。「鹿島時代を含め、テネリフェのときもプレーオフを戦ったので、大一番というか、意味を持つ試合は何度も経験させてもらっている。また違った意味の試合だけど、自分が出たら結果を残して導いていきたいという思いがある」と静かに闘志を燃やした。

(取材・文 折戸岳彦)


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