自閉症の息子に対する苦情に母親は…(画像は『Jessica Green 2017年3月30日付Facebook「For Henners」』のスクリーンショット)

写真拡大

自閉症の子を持つ親は、周囲の理解が得られないことが多々ある。このほど英グロスタシャー州で、自閉症の息子を持つ母親が匿名の近隣住民から手紙で非難を受けるという出来事が起こり、『The Sun』『Gloucestershire Live』『Mirror』など複数メディアで報じられた。母親はショックを受けながらもFacebookで反論したが、このニュースを知った人々からは賛否両論の声が寄せられている。

グロスタシャー州バークリーに住む2児の母ジェシカ・グリーンさん(27歳)は、自閉症スペクトラムの息子ヘンリー君(3歳)に対して苦情が綴られた手紙を受け取りショックと怒りを感じた。

ヘンリー君は言葉を発することができず、音を立てたり悲鳴をあげることでコミュニケーションを取っている。自宅庭でよく遊んでいるというヘンリー君だが、楽しくなるとつい叫んでしまうことが近隣住民を不快にさせたのだろう。その匿名の手紙には、このように記されてあったという。

「家の外で連続して叫び声をあげる子供の責任は、親が持つべきではないのでしょうか。私たち住民はあなたの子供の悲鳴にうんざりして我慢の限界です。あなたの子供のことはみんなが噂していて、親が育児放棄しているのではと言う人もいますよ。何もせずに四六時中子供を叫ばせるなんて尋常ではないし、自分勝手です。通りを隔ててあなたの子供の金切り声が聞こえてきたら、住民は庭で寛いでいられませんよ。去年は何も言わずに我慢していました。今年は子供も少しは成長するだろうと思っていましたが、一日中悲鳴をあげて、ますます酷くなっているじゃないですか。これは反社会的行為です。住民の迷惑を考えて何らかの対応をしてください。さもなければ協議会に報告し、児童福祉サービスにも通報せざるを得なくなります。」

この手紙を読んだジェシカさんは、Facebookでこのように反論した。

「とても腹立たしいです。まず、子供の悲鳴が聞こえたのなら『大丈夫か』と尋ねるぐらいの礼儀があって当然でしょう。だいたいグループ的な書き方をしていますが、特定の人だと思います。誰が書いたのかは想像つきますが、書面ではなく直接私に苦情を言えないなんて臆病者ですよ。未だに自閉症や特別なサポートを必要としている子供のことを理解していない人がいるなんて残念でなりません。手紙の主は自閉症のことをもっと良く知るべきですし、世間にももっと理解してもらいたいと思います。ヘンリーは、いろんな意味でごく普通の子です。トランポリンやサッカーもするし、外で遊ぶのが大好きなんです。確かに叫んだりしますが、もともとハッピーな子なんです。この手紙のことを協議会や警察にも話しました。私たちは育児放棄なんかしていません。夜遅くに何時間も庭に出させているわけじゃないし、もし去年から近所で問題視されていたのであれば、これまでに何か言ってきているはずでしょう。近所の人たちはみんな私のことを擁護してくれています。7歳になる弟思いの娘は、手紙のことを知り涙ぐんでいました。自閉症の子を持つことはとてもハードですが、こんな嫌がらせの手紙をもらうと余計に辛くなります。」

このニュースを知った人からは、「自閉症がどういうものか理解していない愚か者が多すぎる。『叫ぶな』と言っても障がいを持つ子供は理解できない子も多いのに」「障がい児を攻撃するなんて恥知らずの住民だ」「手紙の主、子供が自閉症だってこと知らないんじゃないかな」「住民は手紙じゃなく直接苦情を言うべきだし、この母親もすぐにSNSに投稿するのは良くない。双方が間違っているよ」「住民の苦情は理解できる。誰だって一日中悲鳴を聞かせられたくないし、平和を保つ権利だってあるよ」「双方の言い分があると思う。でも親も叫び続ける息子への対処法はやっぱりあるんじゃないかな」といった声が寄せられている。

画像は『Jessica Green 2017年3月30日付Facebook「For Henners」、2017年8月23日付Facebook「To whoever hasn't had the balls too knock on my door and send me this letter , please feel free too come and chat too me before you start judging.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)