@AUTOCAR

写真拡大 (全9枚)

もくじ

ーMR2 今や貴重な初期型
ートップ 2台の明確な違い
ー数値だけではわからないこと
ーMR2がもたらすサプライズ
ー2台のスペック比較
ーもうひとつの選択肢

MR2 今や貴重な初期型

折り紙細工のようなスタイルだった初代とは対照的に、トヨタは2代目MR2に滑らかな曲面フォルムを採用した。

結果は……衝撃的というほどではないかもしれないが、上手に歳をとってきたように見える。

このデザインで今年デビューしたとしても、それほど場違いではないだろう。

ポール・ハリソンが持ち込んでくれたのは、1990年型の2.0 GTi-16。今や貴重な初期型だ。

多くのMR2がチューナーの手にかかったことを思うと、オリジナルの14インチホイールと径の小さいディスクをそのまま残しているという点でさらに希少な1台である。

ハリソンは1年前に、ワンオーナーだったこのMR2を買った。発売当時にトヨタ販売店の隣りで働いていた彼は、それ以来の念願をようやく果たしたのだという。

「まだ6万マイルしか走っておらず、しかもしっかりメンテナンスされているクルマだったんです」とハリソン。

「初期型だからABSもパワーステアリングもないけど、僕としては、そのほうがよりドライバーズカーだと思います」

トップ 2台の明確な違い

MR2のTバートップはルーフパネルが2分割で、それぞれを左右のシートの後ろに収納する。Tバーとしてはごく普通の手法だ。

一方、ランチア・モンテカルロのスパイダーはもっとスマートで、省スペースのアイディアを実現した。

ピニンファリーナが考案したそれは、巧妙にテンションをかけてソフトトップを張りつつ、それを開けるときには、リアウインドウの上のスペースに簡単に巻き込めるというものである。

完璧なコンディションのモンテカルロ・スパイダーを取材に提供してくれたのはニック・レヴィトン。30年以上も前の新車当時から彼の家族と共にあったクルマで、「これからもそうだよ」とレヴィトンは断言する。

多くの古いランチアと違って、このモンテカルロはオリジナルの状態を保っている。彼の叔父がジャガーE-タイプを売ってこれを購入して以来、一度も板金修理を行っていないし、レストアとも無縁だという。

「わたしが面倒を見るようになって14年になるけれど、今でも叔父が乗っていた頃と同じ感覚ですね」とレヴィトン。

「雨の日にはほとんど乗りません。アンサのマフラーは後付けですが、これも今では30年になる。エアコンもちゃんと動きますよ。効きはあまり良くないけどね」

「スパイダーにエアコンを装着することが、そもそも普通ではないのかもしれないですね。エアコンを付けるか、オープンエアのスパイダーにするか、というのが普通の選択でしょうから。しかしこのクルマはスパイダーの最終型で、エアコンを含めてフル装備だったんです」

数値だけではわからないこと

紙の上のスペックでは、モンテカルロのパフォーマンスはMR2に大きく引き離されている。しかしモンテカルロの車重は200kg以上も軽い。

それはつまり、より高い速度でコーナーに入れるということ。ダイレクトな操舵感とサーボのないブレーキフィールのおかげもあって、モンテカルロのハンドリングは甘やかだ。

暖機を終えた2ℓの4気筒は低回転域から充分なトルクを発揮し、イタリアンスポーツカーに相応しいサウンドを奏でてくれる。

速度を上げても室内に風が侵入せず、トップを開けていることさえ忘れてしまうほどだ。エンジンは騒々しいけれど、だからと言って、雨でもないのにトップを閉じて走る口実は何もない。

いっぽうMR2のキャラクターはモンテカルロほど個性豊かではないかもしれないが、それでもサプライズはある。

MR2がもたらすサプライズ

トヨタと言えば、品質はよいが、ちょっと退屈なクルマというイメージ。それが揺らぐことは過去になかったのだが、今回MR2に乗って認識を改めた。

すべてにおいてグッドカーだ。背中を蹴飛ばされるような加速感はないけれど、エンジンは充分にパワフルで、モンテカルロを楽々と凌ぐ。

ステアリングにパワーアシストがないのはむしろ美点であり、適度な重さを保ちつつ充分なフィードバックを伝えてくれる。

初期型MR2はメディアから批判され、サスペンションセッティングの変更やワイドタイヤの採用に追い込まれたが、あれはいったい何だったのだろう?

少なくともドライ路面において、わたしはこのクルマのハンドリングにまったく不満を覚えることはなかった。

2台のスペック比較

モデル名トヨタMR2 2.0 GTi-16ランチア・モンテカルロ・スパイダー
生産台数 17500台(UKモデル) 7595台(UKモデル) 
シャシー スチールモノコック スチールモノコック 
エンジン DOHC4気筒1998cc DOHC4気筒1995cc 
エンジン配置 ミド横置き ミド横置き 
駆動方式 後輪駆動 後輪駆動 
最高出力 170ps/7000rpm 122ps/6000rpm 
最大トルク 18.9kg-m/4800rpm 17.4kg-m/3400rpm 
トランスミッション/td>

5速マニュアル 5速マニュアル 
乾燥重量 912kg 1046kg 
0-97km/h加速 7.2秒 8.6秒 
最高速度 216km/h 192km/h 

もうひとつの選択肢

マトラ M530

スチールフレームにグラスファイバー製のボディを組み合わせたこのクルマは、とてもフランス車らしいデザインだ。エンジンはドイツ・フォードのV4を積んでいた。

市場で見付けるのが難しい1台である。

■生産期間 1967〜73年 
■生産台数 9609台 
■最高速度 160km/h 
■0-97km/h加速 14.9秒