[8.28 第29回ユニバーシアード競技大会・台北大会女子決勝 日本女子代表0-1(延長)ブラジル女子代表]

 一度は敗れた相手に食らいついたが、最後の最後で振り切られた。国際大学スポーツ連盟が主催する第29回ユニバーシアード競技大会・台北大会の女子サッカー決勝が28日に行われ、ユニバーシアード日本女子代表は延長戦の末に0-1でブラジル女子代表に敗戦。初優勝には届かなかったが、銀メダルを獲得した。

 ファーストラウンドは、コロンビアに14-0と大勝したが、ブラジルに1-3で敗れてグループ2位で準々決勝へ進出。準々決勝でメキシコに3-2で競り勝ち、準決勝は南アフリカを4-0で撃破。ブラジルとの再戦となった決勝戦は、守備の修正が奏功して1点を争う接戦に持ち込むことで成長を示したが、攻撃面では課題を残した。

 主将の中村みづき(早稲田大4年・U-23日本女子代表)は「ブラジルには、リーグ戦で対戦したときに守備の背後を取られることが多かったので、相手にロングパスを蹴らせるかどうかを意識して取り組んだ。決勝は、前線からプレスをかけるのと(自陣に引いて守る)リトリートをうまく使い分けられて、ある程度は自分たちのペースで戦えた。ただ、攻撃に移ったときに、何もできなかった」と試合を振り返った。

決勝戦は、推進力のあるサイドアタックを武器とするブラジルに押し込まれながら、少しずつ押し返して少ないチャンスを狙う展開が続いた。ただ、組織力で対抗したが、スピード、パワー、球際に飛び込んでいける間合いのいずれも相手が上だった。

望月聡監督(びわこ成蹊スポーツ大)は「やっぱり、ブラジルは強かった。その強い相手に、粘ってくれた。銀メダルですけど、次につながると思うので、胸を張って帰ってもらいたい。身体能力の差があるし(対抗するために)技術も大事だけど、駆け引きの部分の差が大きかったと思う。セカンドボールの予測、球際(で勝負するという判断)の強さの面で差があった。この経験を、どう生かすか。攻撃面でも、個人で仕掛けられる素材を育てていかないといけない」と課題を挙げた。

 積極性を求めなければならないのは、攻撃面だけではない。決勝戦で好守を連発したGK木次優衣(早稲田大3年)は「ファーストラウンドでブラジルに3点取られたとき、自分が世界と戦うことを少し怖がっているという反省があったので、もっとトライしようと思った。日本のGKは(総じて長身とは言い難いために)ロングボールやクロスボールを苦手にしている選手が多いと思うけど、もっとトライしないといけないと思った」と世界大会で感じた課題を指摘した。

 持ち帰った課題を国内の大学リーグに還元し、2年後にナポリで行われる次回大会の初優勝につなげたいところだ。決勝戦に左DFとして先発した工藤真子(慶應義塾大2年)は「表彰台でブラジルが喜んでいるのを見て、絶対に次は日本があの場所に立つ、優勝するぞと強く思った。スピードとフィジカルの強さは、本当に日本とは全然違う。もっと技術やパスワークを磨かないと、世界で戦えない。それに、個人で突破に行ける選手がもっといないと、相手は怖くない」と、個のレベルアップと再挑戦を誓った。

 望月監督は、工藤について「経験した選手が次回大会にも選ばれて経験を伝えてくれたら良い。ただ、彼女たちを脅かす選手がもっと出て来て、競争をした上でもう一度選ばれないといけない」と話したが、実際に国際大会を戦う上で突き付けられた課題は、フィジカルだけではなく、選手層の問題もあったと言えるだろう。

 9日間で5試合を戦う連戦で主将の中村は、初戦を59分で退いただけで、ほぼフル出場。決勝戦は、連戦による疲労の影響が主力選手に出ているのは明らかだった。よりタフに、より攻撃的に戦える選手を育てて世界で勝負する。そのためには、日ごろ戦う舞台のレベルを引き上げなければならない。

(取材・文 平野貴也)

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