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■もくじ

どんなクルマ?
ーコンセプトの意匠 色濃く

どんな感じ?
ー走るためのクルマ
ー室内はエレガント
ー「子ども騙し」?
ー刺激的なのはV8

「買い」か?
ーれっきとしたスポーツGTだが…

■どんなクルマ?

コンセプトの意匠 色濃く

高級車を作るメーカーが思いを馳せるのはスーパーなSUV、サルーンまがいのモンスター、ハイブリッドのスーパーカー、デザイン性の高いシューティングブレークなどさまざまだ。

新しいLC500はどうだろう?

フロントエンジン、リアドライブ、2+2のシートレイアウトは、伝統的なグランドツアラークーペへの回帰のようにも見える。

神髄はエレガントさ。高貴でグラマラスさも兼ね備えたこのクルマは、弊誌がかつて権威のあるクルマに違いないと評価したこともあった。

しかし同じことはポルシェ、フェラーリ、BMWにも言える。成熟したスキルを使い、野心が現実を作り上げる。

乗ってみるとどうなのだろう?

■どんな感じ?

走るためのクルマ

より目を引くデザインのエクステリア。また、特筆すべきはGA-Lと呼ばれる新しいプラットフォームだ。ちなみにこれ、LSにも使用される。

フロントエンジン、リアドライブの日本製グランドツアラーは、製造過程でいくつもの鉄を織り交ぜ、アルミニウムとカーボンファイバー製の強化プラスティックで軽量化を図った厳格なクーペである。

パワーの源は2種類。3.5ℓV6ハイブリッドのLC500hと、5ℓのV8を積むLC500で、後者にはトルコン式の10速オートマが組み合わさる。

サスペンションはアダプティブダンパーにコイルスプリングが合わさり、フロント、リアのいずれもマルチリンク式サスを採用している。

それにオープンデフと20インチのアロイホイールが標準装備であるが、オプションの「スポーツプラス」を選択するとCFRP製のルーフパネルや、21インチのホイール、車速感応式4WS、それからLSDが装備される。

室内はエレガント

LCのキャビンは2+2のシートレイアウトだが、リアシートに関して言えば同じようなレイアウトのポルシェ911と比較するとLCは劣っている。

上質で硬いレザーとアルカンターラ製が織り成すドライバーズシートは、後席に人が乗ると壁のようになり、後ろに座った乗員は窮屈さに失神してしまうかもしれない。

いっぽう見かけ上は華やかで上質な素材で囲まれたLCのインテリアは、ほかのライバル車と比べても目立つ存在である。低さがちょうどよいドライバーズシートに腰を下ろしてみる。

このポジションなら、一日中運転していたってヘッチャラ、そんな風に感じた。

目前に広がるダッシュボードは、なだらかな曲線で構成されており、またセンターコンソールは肘を置くには完璧な高さを持っている。

中央にはエアコンのコントロール部分が埋め込まれており、その上には10インチ・ワイドスクリーンのインフォテインメントディスプレイがある。

レクサスはこのクルマを見た目から、ドライビングに長けたクルマであると知らしめたかったようだ。実際その目論見が成功している部分もあるが、すべてではない。

「子ども騙し」?

デジタルのTFTスクリーンは目論見どおりにいっていない一例。

たとえばメーター部分。モードを切り替えると、なぜかレブカウンターの周囲(囲み)が、物理的にスライドする。そんなギミック、作り手と子どもくらいしか喜ばないだろう。

また、インフォテインメントは煩わしいタッチパッドでの操作になる。なぜロータリー式のダイヤルやタッチスクリーンではいけなかったのかはっきりさせてほしい。

これまでと違う目新しさというのはもてはやされて然りだが、このような辛抱に耐えなければならない装備なら、いっそ前のほうがいい。

いっぽうグランドツアラーとしての仕事はきちんと果たしているように感じる。長距離の移動中でも、快適このうえない。

刺激を求めるならば、選択肢は5ℓのV8に絞られる。こちらのほうが間違いなくワイルドで素晴らしいエンジンだ。

4500rpmから7100rpmの間、野蛮さが目を醒ます。

刺激的なのはV8

4000rpm以下だと2トン近くあるこの巨漢を動かすには少々パワー不足を感じることもあるが、10速もあるギアボックスは、いつだって最適なギアを選択し、エンジンのパワーバンドを最大限に使えるように準備していて、ドライバーはこれに満足しないワケがない。

LCのハンドリングは、ボディコントロールとコーナリング中の安定感に富んだ信頼できるもので、今回のテスト車両にオプション装備されていたアクティブステアリングはリムからの情報を直接手に伝えてくるような感度であった。

スポーツカーと名乗るには大きすぎるし重たすぎるが、しかしLCはほかのスポーツカーと同じようなドライブフィールを示してくれる。

ただ、このテスト車両にはランフラットタイヤが装着されていたせいか、乗り心地は少し硬く、ごつごつしていたことを付け加えておく。

果たして買うべきだろうか?

■「買い」か?

れっきとしたスポーツGTだが…

拒絶する理由などどこにもない。LC500はれっきとしたスポーツGTだ。しかし、刺激的な週末を過ごしたいひと、スムーズに移動するのは物足りないひとにはほかの選択肢があるだろう。

レクサス製の二枚目は旅行に出かけたり、猛烈に飛ばしたりするとその楽しみを感じれるかもしれない。ただし、ポルシェ・パナメーラやメルセデスベンツSクラス・クーペなども捨てがたい。

すぐに決めてしまうのはもったいない。

レクサスLC500

■価格 £85,895(1210万円) 
■全長×全幅×全高 4770×1920×1345mm 
■最高速度 270km/h 
■0-100km/h加速 4.4秒 
■燃費 8.6km/ℓ 
■CO2排出量 267g/km 
■乾燥重量 1935kg 
■エンジン V型8気筒4969ccガソリン 
■最高出力 478ps/7100rpm 
■最大トルク 55.0kg-m/4800rpm 
■ギアボックス 10速オートマティック