<大型ハリケーン「ハービー」で市内全域が前代未聞の洪水に見舞われたヒューストンで、汚水による感染症が流行する危険性が高まっている>

ハリケーン「ハービー」に襲われた米テキサス州ヒューストンや同州南部の住民は、今後数週間、長ければ数カ月間にわたり、汚染された洪水の水や崩れた土砂が原因で、感染症が大流行するリスクに直面することになる。ハービーは全米第4の都市ヒューストンを、さながら病原体の揺り籠へと一変させた。

ヒューストンの雨量は2日間ですでに635ミリに達した。豪雨は30日夜まで続くと予想され、最終的に市内中心部の総雨量は1016〜1270ミリに達する見込みだ。豪雨で市内全域が有毒物質を含む恐れがある汚水で冠水している。住民は洪水で発生した水をよけて生活できないため、下痢の原因となる細菌への感染や、レジオネラ菌による感染症、蚊が媒介するウイルスへの感染といったリスクが高まっている。

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テキサス州保健省のクリス・バン・ドウセン報道官によれば、同省は感染症の流行を防ぐ対策を進めている。同州や地元自治体の職員は、ハリケーンが来たときの通例として、今回も水道水の摂取を控えるよう推奨している。ハービーの場合、水道水の摂取を控えることが極めて重要になりそうだ。地元当局は28日、ヒューストン市内の一部の地域に水を供給するダムの貯水量が豪雨で急増し、氾濫の危険性が高まったため、2つのダムを放流した。結果的に、洪水で流れた汚水が水道水に混じった可能性が高い。

大気中の水滴を吸い込み感染

ダムの放流により、ヒューストンの住民の多くは水道水を摂取できなくなった。保健当局は住民に対し、細菌を死滅させるために水を沸騰させるか、ボトル飲料で代用するよう推奨している。

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洪水で溜まった水は、顕微鏡でしか見えないあらゆる病原体の温床になる。米メイヨー・クリニックで感染症を研究する医師のプリティッシュ・トッシュは、ハリケーンによる洪水で出た水には、重大な胃腸の病気を引き起こす病原性を持つ大腸菌が含まれている恐れがあると言う。その他にも、下痢や嘔吐、高熱、腹痛、脱水症などの症状を伴う胃腸の病気を引き起こす赤痢菌などが、汚水に含まれていた事例がある。

感染症は、大型のハリケーンが来れば流行の恐れがあるとあらかじめ分かっていた問題だ。2005年に米南部を直撃し甚大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」の後に実施した調査では、ビブリオ・バルニフィカス菌と腸炎ビブリオ、および他の細菌による感染症が報告された。

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レジオネラ菌による感染症のリスクにも注意するよう、トッシュは警告する。レジオネラ菌は自然界の淡水に生息し、洪水になると、水を使用する人工的な設備に増殖する。大気中の微小な水滴を吸収することで感染する。レジオネラ症になると、肺炎に似た症状や胃腸の病気、頭痛などを引き起こす。

ジェシカ・ファージャー