シックはすでにローマに到着していることをクラブが発表しており、青から赤&黄に装いを変えたチェコ人ストライカーが間もなく、その姿を現わすこととなる。 (C) Getty Images

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 現地時間8月28日、サンプドリアFWパトリック・シックのローマ移籍が内定した。サンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長が合意を明かし、選手は同日、ローマ入りしている。

 当初は母国の英雄パベル・ネドベドが副会長を務めるイタリア王者ユベントスへの移籍を選んだシック。だが、6月のメディカルチェックで心臓の問題が発覚したのを受け、ユーベが再提示した条件がサンプドリアに受け入れられず、取引は破談となっていた。
 
 その後、インテルやナポリへの移籍も取り沙汰されたシックだが、最終的にはこの夏にモハメド・サラーをリバプールに放出したローマが争奪戦を制した。28日に両クラブが再交渉し、フェレーロ会長が「決まった」と合意を認めている。
 
 移籍金について、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、ローマがまず600万ユーロ(約7億7000万円)を支払い、シーズン後に1300万ユーロ(約16億6000万円)、さらに2018-19シーズン後に1900万ユーロ(約24億3000万円)を追加で支払うと報じている。
 
 一方、『スカイ・スポーツ』は、まずローマは500万ユーロ(約6億4000万円)を支払うが、総額は義務となる買い取り額と合わせて4000万ユーロ(約51億2000万円)になると報道。さらに200万ユーロ(約2億6000万円)のボーナスも加わると伝えた。
 
 いずれにしても、元アルゼンチン代表のガブリエル・バティストゥータを獲得した時とほぼ同じかそれ以上の金額であり、ローマにとっては、少なくともアメリカ資本になってからの最高額での補強となる。
 
 しかし、昨シーズンのセリエAでブレイクしたとはいえ、シックにそれだけの価値があるのか疑問視する声もある。また、サンプドリアのマルコ・ジャンパオロ監督は先日、「ローマがウイングを探しているなら(移籍するのは)間違えている」と、シックに再考を促していた。
 
 だが、シック本人はこの日、「(ローマは自分にとって)正しいチームだ」と自信を強調。また、フェレーロ会長は「100年にひとりの逸材であり、(フランツ・)ベッケンバウアーをも上回る選手」と、なぜかドイツのレジェンドを引き合いに出して、シックにこの上ない賛辞を寄せている。
 
 地元メディアによると、シックは29日にメディカルチェックを受け、ローマと5年契約を結ぶ見通し。2か月にわたって去就が騒がれてきたシックは、昨シーズンの得点王エディン・ゼコがいる「永遠の都」で、さらなる飛躍を遂げられるだろうか。