トヨタは今夏発売した新型「カムリ」にリナックスベースのOSを初搭載した(写真: トヨタ自動車の発表資料より)

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 トヨタとマツダは着々と提携関係を進めているようだ。マツダ・スカイアクティブ・テクノロジーとトヨタ・TNGAは基本的概念が一致しており、トヨタの規模が大きいため実施が難しい問題を含んでいるだけだ。「コネクテッドカー」の分野でも、共通する概念でくくれるはずで、今後ますます基本技術の点で共用化が進むことであろう。その両社が、基幹OSに「リナックス」を採用することで共通のシステムへと刷新すると、日経新聞が報じている。

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 「リナックス」を使用していくのは、今後の開発の手間暇などを見据えてのものであろう。自動車の制御プログラムは、これまでOSの使用はスピードの点で不能であったはずだ。OSをかませると無駄な動作が出て、エンジン制御など極めて速い応答性を要求される制御プログラムでは、実用にならなかった。しかし、IoTの分野ではそれほどのスピードを要求されない代わりに、幅広い分野のアプリケーションを必要としている。そのため、1つ1つのアプリケーションを機械接続のところまでそれぞれのプログラムが持つことは、逆に同じプログラムを多重に持つことになってしまい、ムダが多くなる。

 そこでOSを介しての制御となるのだが、ウィンドウズのような肥大化して無駄の多いプログラムでは実用にならない。その点、リナックスはソースコードが公表されており、必要でない機能は省くことも簡単で、制御プログラムの分野では応用の効くOSと言える。

 今回の報道で想定されるIoTの分野は「コネクテッドカー」と呼ぶにふさわしい、ユーザー向けの分野だが、肝心の「整備」の合理化については、言及されていない。それは現在の整備制度に影響が大きく出て、ディーラーの存立を脅かす内容なので言及していないのであろうか?

 AIの分野でも、自動車の自動運転が出来るのであれば、列車の自動運転は直ぐに実用化が出来ることも多く、踏切事故や運転ミスなどを防ぐ意味でも、列車に取り付けることが先行しなければならない。実際、海外では列車の自動運転が導入され始めている。日本の遅れは「組合」の問題であろう。

 このように日本国内ではIoTを使ったコマツ製作所のような整備体制を準備すれば、自動車の定期整備・車検制度などに大きな変革をもたらし、整備ビジネスが大きな打撃をこうむる恐れが大きい。ディーラーが点検整備を利権のごとく捉えている現状では、メーカー側としても考慮せざるを得ないのが現実であろう。逆に言えば、ユーザーが無駄な経費を払っている状態が続くと言うことだ。

 この広い分野のアプリケーションを開発していくには、「リナックス」の使用は理に適っており、今後のサプライヤーとの関係も含めて、技術的なポイントとなろう。