「元祖インドカレー小いけ」/カレーのベースになっている、「カレー」670円

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店と客の間にも、“つうかあ”の関係は、存在するのかもしれません。というのも、常連ともなれば、たったひと言を発するだけでオーダーが成立してしまうことがあるからです。「元祖インドカレー 小いけ」の場合、その“いつものヤツ”的な言葉は「ダイ!」。お昼時ともなると、来店するや否やメニューなどは一切見ることなく、サラリとこう言い放つ人を見かけます。一人、二人ではありません。そして、お目当てのカレーが差し出されると周囲と会話することもなく、黙々とかき込んでいるのです。

2018年で創業70年を迎える「元祖インドカレー 小いけ」

「元祖インドカレー 小いけ」のすべてのカレーのベースになっているのが、「カレー」(670円)。そして、「ダイ」が指しているメニューとは、この店でも1、2を争う人気の「大カレー」(780円)でした。

この地に店を構えたのが1948(昭和23)年。来年2018年で実に創業70年を迎えるという老舗です。地元の常連のみならず、観光で訪れた人にもカレーの名店として今日まで長く愛され続けるには、もちろん何らかの理由があるはずです。その秘密を問えば、「昔から何も変わらないことかなぁ〜」と店の主、若狭豊春さんは言います。

創業当時から調理方法、カレーの味など、スタイルはまったく変えていないそうです。そんな中、昔ながらの小いけの味を守るために気を付けている点を強いて挙げるとすれば、それはカレーのルーづくりです。

とにかく、ルーづくりは根気のいる作業で、この店のルーは炭火で小麦粉を炒めるところからスタート。カレー粉を絡めてさらに炒め、鶏ガラスープとトンコツスープを加えるなどして完成します。文字で説明すると数行ですが、この行程には実に約8時間を要します。こうして出来上がったカレールーは、甘さの中にピリッと小気味の良い辛さを効かせていて、銀色のソースポットで差し出されます。

もう一つ、若狭さんが店のこだわりポイントとして挙げる点はライスです。一度、硬目に焚き上げたものを蒸籠で蒸し、それを出すのがこの店のスタンダードなのです。モチっとした食感がありながらも、米の一粒一粒がシャキッと立っていて、カレールーと上手く絡み合います。

「大カレー」と同様に、シンパが多いのが「カツカレー」(980円)ですが、実はもっとも驚かされるのは、カレー専門店の風体を装いながらも、メニューのなかに「カツ丼」(1000円)や「親子丼」(800円)といった和の丼があることです。

「カツ丼も親子丼も、開店当時からある人気メニューです。常連さんにも結構、出ますね」と若狭さんはニッコリ微笑みます。どうやら、「カツ丼!」も「ダイ!」と並ぶ常連用語の一つのようです。

元祖インドカレー小いけ■住所:函館市宝来町22-4 ■電話:0138・23・2034 ■時間:11:00〜15:30(LO) ■休み:なし(1/1のみ) ■席数:26席(禁煙)

【北海道ウォーカー編集部】