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●おでんだってスカイツリー仕様! 大正香る伝統の店でコッペパンににんまり

スカイツリーの登場で、その周辺は、まるで新しく作られた街のように様変わりした。しかし少し歩みを進めれば、そこには古くから続く下町風情が息づいている。そんな下町のひとつ、曳舟に「キラキラ橘商店街」というキュートな名前の商店街がある。ここは、昔懐かしい街並みを残していることから、ドラマで使われることも多いという。実際にはどんな街で、どんな食べ歩きができるのだろうか。

○「キラキラ」のネーミングに胸躍る

筆者の取材候補地リストの「キラキラ橘商店街」の項目には、選んだ理由に「何だか名前がいい」と書いてあった。きっと、大きな商業施設のように凝った意味合いで付けられたのではなく、だからこその素朴さが「キラキラ」の4文字に溢れている。訪れてみると確かに素朴で、小さなキラキラがいろいろなところにあるような気がした。

キラキラ橘商店街の最寄り駅は、京成曳舟線「京成曳舟」駅。スカイツリーのある押上駅からは一駅、2分の乗車となる。駅から明治通りを東に10分ほど行くと、キラキラ橘商店街のゲートを見つけた。

この付近は以前、壺に落ちる水滴の音を楽しむ「水琴窟(すいきんくつ)」の取材で訪れたことがあった。昭和の面影を存分に残す家々の間には、細い路地が入り組むように続く。町の人は、見知らぬ筆者に対しても不意に声をかけてくるような人懐こい下町感があった。キラキラ橘商店街はどうだろうか。

○創業大正元年! 昔懐かしいコッペパン

商店街を歩いてみると、「とても古風な個人商店が多い!」ということに気付くだろう。猫も、これまで訪れたどの商店街よりもうろついている。古風な店のひとつ、「ハト屋パン店」は、大正元(1912)年創業という老舗だ。看板には「カステラ」と書かれているものの、ショーケースの中にはいくつかのコッペパンが並んでいるだけ。その潔さに、妙に惹かれてしまうものがあった。

○おでん屋でスカイツリーを発見!

商店街の案内所の方によると、「ここにはお惣菜のお店が多い!」とのこと。確かに、"地元の台所"どころか"地元の食卓"的にすぐに食べられるお惣菜の店が並んでいる。

おでん種の店「大国屋」では、夏だというのに鍋におでんを仕込んでいた。「さすがに暑い」と思いつつガラスケースを見渡すと、ひょろ長いさつま揚げを見つけた。どうやらスカイツリーを象(かたど)っているらしい。

○食べ歩きの定番、唐揚げも欠かせない

焼き鳥の店「鳥正本店」で、「やっぱり焼き鳥が人気ですか」と問うと、「食べ歩きには唐揚げもオススメですよ」とのこと。唐揚げは100gで140円。「大体4個で100gだから、食べ歩くなら串に4つ刺しますよ!」と言ってくれた。

ちょっと歩いた先、昭和な商店街の中ほどに、まるで代官山にでもありそうなオシャレなカフェ「すみまめカフェ」を見つけた。続いてはそんなオシャレカフェで見つけた限定ドリンクを紹介しよう。

●すみだモダンにたこパンも! 度肝を抜くビジュアルでも味は間違いなし

○カフェでスイカを楽しむ

ウッドでまとめられた「すみまめカフェ」の店先には、パンや雑貨も置かれている。ここで飲んでみたいのが、夏季限定の「すいかスムージー」(580円)。さっぱりとしたスイカの甘みと、種を模したチョコの食感が楽しい。9月半ばころまで販売予定とのこと。

すみまめカフェでは、数人のお年寄りが楽しそうにおしゃべりをしていた。「確かに店員さんはとても優しい雰囲気だし、お年寄りも入りやすいカフェなのかも」と思ったのだが、実はここ、「介護相談のできるカフェ」なのだそう。これからの日本では需要が高くなりそうだ。

○キラキラブランドって何!?

キラキラ橘商店街、自慢の逸品を「キラキラブランド」と言うらしい。商店街の商品ならどれでも付けられるのではなく、「キラキラブランド認定委員会」に推薦されなければならないという。そのひとつが、デリカショップ「くるみ」で見つけた「メンコロ」(90円)というお惣菜だ。

○餃子だけどチキン

もうひとつのキラキラブランドを「鳥正京島店」で見つけた。「国産チキンぎょうざ」(110円)である。餃子のタネを鶏皮で巻き、秘伝のタレをつけてオーブンで焼き上げたというもの。3代に渡って受け継がれているとのことで、この地域の人気商品なのだろう。2015年には墨田区のブランド「すみだモダン」にも認証された。

○謎メニュー多すぎ!

商店街入り口付近にある「千丸」は、謎メニューが豊富なお店だ。うどんやざるそば、たこ焼きなどがあるようだが、おそらくはたこ焼き屋なのだろう。

謎メニューの代表的なものは、おそばでは「大根そば」(600円)。ざるそばの上にお刺身のツマのように細切りした大根を乗せ、おそばと混ぜて食べるという。店主の女性によると「シャキッとした大根の食感が楽しい」とのことだ。

たこ焼きでは「たこパン」(250円)。これは、たこ焼きをマフィンで挟むという、何ともスゴい一品だ。ちなみに「たこパン テリタマ」(300円)もある。この発想は、以前訪れた下北沢の飛び抜けたオリジナリティと似通ったものがある気がした。

キラキラ橘商店街は、日曜日定休のお店が多く、駅からも少し離れているため、わざわざ訪れる人もそんなに多くないらしい。しかし、下町らしい雰囲気の中で意外なグルメを楽しむなら、ちょっと歩いてでも行ってみてもいいかもしれない。

※価格は全て税込

○筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。