ゲイツとブランソンが出資、「クリーンな肉」の将来性

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ビル・ゲイツとリチャード・ブランソンは、少なくとも2つのことについて熟知している。ある業界をいかに破壊するか、いかに利益を上げるか、ということだ。

その2人が食料の未来に革命を起こそうとする新たな業種のスタートアップ、メンフィス・ミーツ(Memphis Meats)にそろって投資をしていることが注目に値するのは、そのためだ。ゲイツとブランソンはその他の著名な投資家らとともに、サンフランシスコに拠点を置く同社に総額1700万ドル(約18億5400万円)を出資した。

メンフィス・ミーツは幹細胞から培養した牛肉、鶏肉、アヒル肉など、畜産も食肉処理も必要のない「クリーン」な肉を製造している。同社は現在までに調達した総額2200万ドルを、培養肉の製造規模の拡大や製造コストの低減に充てたい考え。従来の食肉と同程度、またはそれ以下のコストでの製造を目指している。また、従業員の新規採用も進める計画だ。

2人の富豪が目指すもの─

社会的意識が高い投資家として知られるゲイツとブランソンは、メンフィス・ミーツがもたらす破壊的なチャンスに着目していると見られる。同社は1兆ドル近い規模の世界の食肉市場で大きなシェアを獲得する可能性があるだけでなく、環境と動物、公衆衛生のいずれにとってもより望ましいものとなり得る製品を生み出している。

ブランソンはブルームバーグ・ニュースの取材に対し、「向こう30年ほどで、私たちは動物を殺す必要がなくなり、(供給される)全ての食肉は現在と同じ味を保ったまま、クリーンな肉、または植物原料の肉になるだろう。それらは同時に、私たちにとってより健康的なものになるはずだ」と述べている。

「代替食品」は新たなトレンド

メンフィス・ミーツは培養肉によって、持続可能な有機食品であり、「飼料や水、土地」への依存度が低い食肉を求める消費者のニーズに応えることを目標としている。同社が食肉の製造に必要とする土地と水は、従来の畜産農家が必要とする広さ・量のわずか1%だという。

同社の共同創業者でもある最高経営責任者(CEO)は、「…従来の食肉生産の方法は現在、環境と動物福祉、人間の健康の全てに課題を突き付けている。これらは誰もが解決したいと望む問題だ。当社は素晴らしいパートナーたちとともに、解決策を見出すことができる」と語っている。

メンフィス・ミーツと間接的に競合する「人工肉」の関連事業を行う企業には、インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)、ビヨンド・ミーツ(Beyond Meats)などがある。両社はいずれも植物原料のみで食肉を製造する。ゲイツはビヨンド・ミーツの資金調達にも協力している。