ブラックバイトで驚愕!日給1万円“フルーツ売り”の正体

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 駅前などで、軽トラックを利用した露店やダンボールに入った野菜・果物を激安価格で売っている人を見た事がありませんか?

 最近、若者を違法な低賃金労働をさせていると「ブラックバイト」「労働マルチ」という言葉で、問題となっている駅前のフルーツ売り。

 小山田舞美さん(仮名・26歳・無職)は、ひょんな事からあの激安青果売りをする事になり……。

◆「日給1万円も可」と求人情報を見て応募

「今年の頭に人間関係のストレスに耐えられなくなって不動産屋の受付の仕事を辞めたんです。とにかく毎日凄い量のクレームを受けて、身も心もボロボロでした」

 そんな時、求人雑誌を見ていると目に飛び込んで来たのは?

「『美味しい野菜や果物を笑顔と共に全国津々浦々に届けるお仕事です。』という見出しで、『日給1万円も可。売り上げによってプラスアルファあり。独立も夢じゃない』という文句にやり甲斐がありそうだなと感じて……

 何より個人行動できるのがいいなと思って、すぐに応募する事にしました」

◆産地を聞かれたけど、わからない…

 トントン拍子で採用が決まり、出勤初日を迎えた小山田さん。

「数人のグループを組み、各地区に振り分けられ、自分担当の駅に着いてからは本当に私ひとりでした。

 とにかくやるしかないと道行く人に声をかけてみたら、『これはどこ産の野菜ですか?』と聞かれたんですよ。そんな事は聞かされていなかったので正直焦りましたが、売らなくちゃいけないという気持ちが勝ってしまい…つい、適当な産地を言ってしまいました」

 その嘘のお陰か、全ての商品を売り切った小山田さん。多少の罪悪感はありましたが、目標達成できた事が嬉しくて、喜び勇んでリーダーに売り上げを持って行きました。

◆日給1万円はウソ!最初の2ヶ月は研修だと言われた

「それなのに、これだけ頑張って4400円しかもらえなくて驚きました。日給プラスアルファでこの金額なのか聞いてみると、最初の2ヶ月間は人に臆(おく)せず接する為の研修だから完全歩合制だと言われて……

 初めて日給1万円可の意味が分かり、騙されていたんだと気づいたんです。だったらファミレスでバイトした方がいいに決まってるじゃないですか! あまりに疲れ切っていたので、つい変な仕事に飛びついてしまったと反省し……今はゆっくり新しい仕事を探しています」

◆「見た目の悪い野菜は、有機野菜だと言うと売れるよ」

 そして、この日帰りの送迎バスで隣の席になった女性から、ここで売っている野菜はその日の市場で人気の無いものや、廃棄寸前の物をタダ同然で仕入れた物だという事を聞き……。

 見た目の悪い野菜を売る時は、有機野菜だと言うと売れるよ、とアドバイスされ、ゾッとして速攻でこの仕事を辞めたんだとか。

「でも、この時に14個売ったフルーツは輸入品で日本には全く浸透していない為、市場で売れ残っていた物らしいのですが…妙に美味しかったんですよね。試食したおばさん達にも大好評でした。

 あの、メロンと桃が合わさった味のようなフルーツ……あれは、どこかで出会えたらまた食べたいですね。あれが1個300円はお買い得だと思います」

 正直、この仕事で生計を立てるのは難しそうですが……こういうブラックな業者もいるので、気を付けたいものですね!

<TEXT&漫画 鈴木詩子>

【鈴木詩子(すずきしいこ)】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。