「アゲンジャーズ」と題した6種類の唐揚げ食べ放題企画

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 日本人の食卓に馴染み深いメニューのひとつ、「唐揚げ」。弁当のおかずの定番として幼少期から親しんでいる方は多いだろう。また、大人になってからは、酒のつまみとしても重宝しているはずだ。「その気になったら何個だって食べられる」という唐揚げファンもいるのではないだろうか。

 事実、そんな唐揚げファンのニーズに応えるべく、唐揚げの食べ放題を実施している飲食店はいくつか存在する。なかでも、とりわけ大胆なプロモーションを仕掛けているのが、ファイブグループが運営する「居酒屋いくなら俺んち来い。」及び「居酒屋いくなら俺んち来る?〜宴会部〜」である。

 これらチェーン店は今年2月、「アゲンジャーズ」と題した6種類の唐揚げ食べ放題企画を2時間777円(税込、以下同)で開催。当初は18時半以前、あるいは20時半以降にしか参加できない企画だったが、開始わずか2日間で2000名もの客が予約・来店したのを受け、時間帯制限を撤廃する事態になったという。それだけの好評を博した同企画は、4月下旬〜5月中旬にも唐揚げの種類を6から15に増やして復活している。

 そしてこの夏も「アゲンジャーズ ニギルウォー」とタイトルを改め、8月10日から31日までの期間限定で、再び食べ放題企画がスタートした。今回は「居酒屋いくなら俺んち来い。」全19店舗で唐揚げが、「居酒屋いくなら俺んち来る?〜宴会部〜」全8店舗で寿司盛り合わせが食べ放題となっており、系列店同士で“唐揚げvs.寿司”というユニークな対立構造を演出しているのである。

 唐揚げにしても寿司盛り合わせにしても、2時間食べ放題で777円という条件は、前回の企画を踏襲しているといえる。実際のところ、どれだけの満足感を得られるものなのか気になる。

 そこで、実際に企画の開催初日となった8月10日、東京都内の店舗にて唐揚げ食べ放題(以下、アゲンジャーズ)を体験した。

●唐揚げ食べ放題のみの注文はできず最低1698円

 筆者単独で参加するつもりだったが、公式サイトから予約ページに飛ぶと、利用可能人数が「2名から」となっていたため、知人と連れ立って参戦することにした。

 予約時間ちょうどに店へ行くと、すぐに席へ案内された。筆者たちがアゲンジャーズの利用であることは予約の段階ですでに伝わっていたので、店員は早速システムの説明を始めた。

 客は唐揚げ食べ放題の料金777円に加え、2時間飲み放題の料金500円と、お通し代421円が必要になるという。つまり、唐揚げ食べ放題&お酒飲み放題で実質1698円がかかる。

 一見、「話が違うじゃないか」といいたくなるところだが、通常価格1500円の飲み放題が500円なわけで、ビール系、酎ハイ、日本酒、ハイボール、ワイン、ソフトドリンクの豊富な飲み物から注文できるため、かなりコスパは高い。

 もちろん、最低限これらの代金さえ支払えば、ほかのメニューは頼まなくてもいい。なお、食べ物と飲み物のラストオーダーは終了30分前だ。

●唐揚げは一口大サイズ、味は可もなく不可もなく…

 さて、ファーストドリンクの注文と同時に、客は唐揚げのソースを12種類の中から3つまで選ぶことができる。たるたるソース、ナポソース、ネギ塩ソース、おろしポン酢、カレーソース、メキシカンソース、ミートソース、柚子醤油ソース、よだれソース、ユーリンソース、サルサソース、生クリームチョコソースと、非常にバラエティ豊かだ。最初に選んだ3種類以外にも、追加で用意してもらうことは可能だが、その場合は皿交換制となる。

 テーブルに置かれていたアゲンジャーズのパンフレットを開きつつ、店員におすすめのソースを尋ねてみると、こってり系のソースは食べ放題の序盤のうちに使うのがよいとアドバイスしてくれた。さらに、3種類のうちひとつはさっぱり系のソースを混ぜておくと、食べ放題の終盤でも苦しくなりにくいという。「なるほど」と感心しながら知人と相談し、たるたるソース、カレーソース、よだれソースの3つをチョイスした。

 唐揚げやドリンクの到着を待つ間に周囲のテーブルを見渡すと、左隣の男性5人組と右隣の女性3人組は、筆者たちより一足早くアゲンジャーズを楽しんでいる様子。ソースの小皿が、唐揚げの皿を囲むようにして並んでいるからわかりやすい。

 2時間で何個くらいの唐揚げを食べられそうか知人と期待を膨らませているうちに、まずはお酒とお通しが運ばれてきた。お通しはレタスと肉味噌にガリ。唐揚げだけが先に届き、ほどなくして3種類のソースも出揃う。カレーソースは筆者たちの唐揚げ用にわざわざつくってくれたのか、小皿を置く際に店員が「熱いので気をつけてください」と一声添えられた。

 唐揚げは、男性なら一口で放り込めそうなサイズ感。1個目はソースをつけずそのまま食べてみると、冷めてはいないが火傷するほど熱いわけでもなく、味についてもこれといった特徴はないように思えた。しかし、カリッとした衣の中に柔らかな肉が待ち受けているという魅力的な食感は、まさに唐揚げの醍醐味を体現している。これが食べ放題なのだから、素直に嬉しい。

●ソースが12種類あれど、ひたすら唐揚げはキツイ

 次に、各ソースとの相性はどうか。たるたるソースと唐揚げの組み合わせはいかにもハイカロリーだが、ハズレのないおいしさ。カレーソースはマイルドな辛さで、それほど後を引かない。よだれソースはピリッと香辛料が効いており、これらの3種類の中では箸休め的な役割を担ってくれる感がある。

 唐揚げは1皿に12個入っており、知人と筆者とで半分ずつ食べたところで追加注文した。同じタイミングで、ソースも別の3種類に交換してもらった。この調子でいろいろなソースを試していれば、飽きずに時間いっぱい唐揚げを食べ続けられるに違いない。

 しかし、それぞれ10個目の唐揚げを食べ終えたあたりで、2人とも如実に箸の動きが遅くなった。特に知人は根っからの野菜嫌いとして仲間内で有名で、「普段は食べないのに」と自分でツッコミを入れながら、お通しのレタスに救いを求め始めた。ソースによって味を変えることができても、揚げ物を大量に食べれば、やはり胃もたれは避けられないということか。

 2皿目(合計24個)を完食した筆者たちは、もう一度おかわりするべきか協議した。次も12個の唐揚げが来るとして、お互い6個ずつ消化するのは無理だろうと判断するも、まだ試していないソースの中には生クリームチョコという、怖いもの見たさで味見しておきたいメニューが残っている。

 ここで店員を呼び、唐揚げを半分だけおかわりできないかと尋ねると、あっさりOKだといわれた。普通盛りの下には「小盛り」、上には「バカ盛り」という量設定があるそうだ。そうして、唐揚げの小盛りとソースの交換をお願いし、ラストスパートに臨んだ。

 7個の唐揚げが新たに届けられ、知人が3個(累計15個)、筆者が4個(累計16個)食べたところでフィニッシュ。唐揚げに飽きたというよりも、胃の苦しさに負けてしまったかたちだ。

●唐揚げ16個&お酒4杯で約1700円…コスパは◎

 特に追加料金のかかる注文はしなかったため、この日の会計は当初の計算どおり、1人1698円。

 ただ単に唐揚げを16個食べただけなら割高な気もするにせよ、筆者はウーロンハイやハイボールといったお酒を4杯飲んでいたため、居酒屋での支払いにしてはかなり安く済んだという印象だ。

 その日の客入りにも左右されそうだが、少なくともこの日は筆者たちがオーダーしてから唐揚げや飲み物が到着するまでさほど待たされることはなく、快適な“アゲンジャーズ体験”だったといえる。

 途中で店員が「唐揚げのおかわりは頼んでいますか?」と見回りに来てくれたり、フロア全体を巻き込んだ“乾杯タイム”が設けられたりと、目の前の客を喜ばせようとする姿勢がうかがえた。これなら8月末までに、もういちど時間をつくって系列店で開催されている寿司盛り合わせ食べ放題にも足を運んでみたくなる。

 余談だが、筆者が最後にトライした生クリームチョコソースの唐揚げは、「企画者の悪ふざけ」と切り捨てるには惜しい、不思議な味わいだった。アゲンジャーズを体験しに出向いた際には、話のタネに頼んでみて損はないだろう。
(文=A4studio)