星野佳路(ほしの・よしはる)  1960年、軽井沢「星野温泉旅館」の長男として生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業後、1986年米国コーネル大学ホテル経営大学院にて経営学修士号を取得。1991年1月、星野温泉の社長に就任。以来「リゾート運営の達人になる」というビジョンを掲げ、圧倒的非日常感を追求した滞在型リゾート「星のや」をはじめ、全国で宿泊施設、スノーリゾートを展開している

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軽井沢の1軒の老舗旅館から、国内外で37ヵ所のリゾートを運営する大注目の企業へ――。前身となる旅館開業から今年で103年を迎える星野リゾート。飛ぶ鳥を落とす勢いの秘訣はどこにあるのか。オンライン消費者コミュニティの開発・運営を手がけるクオン株式会社の武田隆代表取締役が、星野リゾート代表の星野佳路氏に、同社の「企業の遺伝子」を聞いた。(この記事は2016年4月11日収録のラジオ番組「企業の遺伝子」の内容を活字にしたものです/オリジナル番組制作:JFN、番組企画:クオン株式会社、画像提供:株式会社星野リゾート、構成・編集:編集工学研究所、番組パーソナリティ:武田 隆、春香クリスティーン)

運営だけを行うビジネスモデルへ
動機はバブル経済の崩壊だった

武田 隆(以下、武田) 星野リゾートといえば、2000年代から急成長をとげたリゾート運営会社として知られています。まず、事業内容から教えていただけますか?

星野佳路(以下、星野) 星野リゾートの仕事はホテル、旅館、リゾートの運営です。今ホテル業界では、所有者と運営会社が分離する傾向が進んでいて、私たちは、所有をせずに運営だけを担当する会社です。

春香クリスティーン(以下、春香) 所有と運営というのは、何が違うんですか?

星野 日本で一番多いのは、所有しながら運営もするパターンです。自分が所有する土地や建物でホテルや旅館を運営している。ですが、私たちの場合は、オーナーさんが別にいらっしゃるんです。土地や建物を持つオーナーさんから頼まれて、代わりに施設を運営しています。

春香 なるほど。そんな違いがあるんですね。

星野 そうすると、投資家が観光ビジネスに入ってこられるようになるんです。今、日本の観光が伸びているので「所有だけしたい」「投資だけしたい」という方もいらっしゃいます。そのためには、私たちのような運営会社が育つことが大事なんです。

武田 所有と運営を分離しようと思い立った動機は、何だったんですか?

星野 動機はバブル経済の崩壊です。私が社長に就任したのは1991年ですが、これは、まさにバブル経済が崩壊した直後なんです。バブル時には大手企業や不動産会社、建設会社などが日本中に新しいリゾート施設をつくりました。

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