アプリでキャッシュレス「割り勘」が世界で浸透中 細かくてもけち臭くならないと好評

写真拡大

 飲み会で清算する際、現金のやり取りに時間がかかっていないだろうか。近頃は割り勘に特化した便利なアプリが出てきている。幹事がアプリを使ってメンバーに請求すると、各人はアプリに登録されたクレジットカードを使って支払いができるというものだ。各人はキャッシュレスで支払いができるだけでなく、それぞれクレジットカードのポイントが付与される仕組みである。

 幹事側にもメリットがある。今まではカードで支払いをし、メンバーから集めた現金で財布が重くなっていたが、アプリを使えばそれもない。人によってはアプリのダウンロードは敷居が高いかもしれないが、ウェブ上で対応できるものも出てきている。

 このように割り勘を端末間決済で行うことが、海外で浸透しつつある。キャッシュレスの割り勘がスマートいうのが世界的なトレンドのようだ。

◆自分の分は自分で支払うべきという考え
 割り勘という言葉には、同等割で支払うという意味と、自分の分は自分で支払うという2つの意味がある。現金で割り勘を行うと、お金のやり取りが煩雑にならないように、ざっくりとしたやり取りになることが多いだろう。

 CNNは、勘定のわずらわしさをアプリが解決してくれると報じている。例えば今までは、自分がオーダーしていないのに他人のドリンクの分まで支払うことや、チップや税金は誰が支払うかといった気がかりな点があった。各人がオーダーした分をメニューごとに請求できるアプリを使えば、セントの単位まできっちり請求することができる。これまで細かい請求はけち臭くて難しかったが、アプリを使えばそのプレシャーが軽減されるとしている。

 割り勘アプリ『Tab』のCEOゲイヴ・サビット氏は、人々がどのように支払いをしたかというデータから、人々がいかに可能な限り細かく支払いをしたいと考えていることがよく分かると述べる(CNN)。

◆端末間決済はアメリカで一般的になりつつある
 ニューヨーク・タイムズ紙は、電子ウォレットやスマホ等の端末間決済P2Pのアプリが仲間内でのお金のやりとりを簡単にしていると述べる。既存のものに加え、今後iOS11のアップグレードでiPhone間がメッセージ機能で決済できるようになるなど、日常生活の一部になりつつあるとしている。

 アプリの『Plates』と『Tab』によれば、若者と都市に偏る傾向があるものの、あらゆる年齢と地域でアプリが使われるようになってきているという(CNN)。

 2017年のバンク・オブ・アメリカのレポートには、P2Pは新常識であるという表現が見られる。ミレニアル世代(1980年前後から2005年ごろにかけて生まれた世代)の62%が、ジェネレーションX (1960年代半ばから1970年代半ばに生まれた世代)の34%が使用しているというデータがあるからだ。

 実際、ポピュラーなアプリの一つであるペイパル社の『Venmo』は総支払額が80億ドル以上となり、これは前年同期の2倍以上である。Venmoは徐々に収益を上げており、現在ペイパル全体の総支払額の7.5%のシェアを占めていることから、将来の収益機会の源泉であるとされる(The Motley Fool)。

◆オーストラリアやイギリスでも割り勘が進む
 オーストラリアでは、手間や加盟店手数料を理由にレストランで別会計を受け付けないところがほとんどであるという。そういった文化であるため、アプリを通じてカード払いの割り勘ができることが画期的と歓迎されている(news.com.au)。

 イギリスにおいても、レストランでの非接触型決済が進むことで、イギリス人に割り勘文化が戻ったとVISAカードが伝えている(テレグラフ紙)。

◆平等な支払いとは?
 均等割り、各自の支払いの他に、平等について独自に考えたアプリがある。アメリカには人種・性別による収入ギャップがあることから、収入によって割るべきだという発想から生まれたものである。『Equipay』は米労働省のデータを用い、各人がいくら稼いでいるかという予測のもと金額を決めるというものだ(テレグラフ紙)。これは、一見驚くような考えにも思えるが、社内での飲み会、学生時代の先輩後輩との飲み会などで、役職・年齢・性別で傾斜をつけるという発想に似ているとも言える。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、アプリを使用する上でいくつか注意することがあるとしている。銀行口座の情報をアプリに渡す必要があること、国内の銀行の口座でないといけないこと。またアプリによって機能・セキュリティ・プライバシー・送金に要する期間が違うことを考慮して選ぶ必要があるとしている。