思いがけない形でチャンスをつかんだ。日本代表GK川島永嗣(メス)は今季リーグ1開幕から3試合連続でベンチに座ったまま。「開幕戦に出られなかったときはこのまま試合に出られないかなと思っていた」と、当時の心境を率直に明かす。それでも、開幕3連敗というチーム状況もあり、26日の第4節・カーン戦で今季初出場初先発。結果は0-1だったが、随所で好セーブを見せ、存在感を示した。

「自分も準備をして開幕を迎えた中、監督から『試合に出ない』と言われた。気持ちの部分は少し難しかったけど、自分としては練習からやるしかない。チームの結果も含めて、またチャンスをもらえて、結果は残念だったけど、より良い状態で(代表に)来れた」

 カーン戦の前に行われた24日のメンバー発表会見でハリルホジッチ監督は川島について「リザーブチームで試合に出て、2-0で勝ち、素晴らしい内容だったという報告を受けている。PKも止めたということだ」と説明していた。川島は「(カーン戦も)出られないならリザーブチームでやるつもりだった」と言うが、くしくも代表合流前ラストマッチで公式戦に出場する機会を得ることができた。

 指揮官が「(川島)永嗣のメンタル面での影響、そして経験はこうした試合で必要になる。彼の存在は重要だ」と絶大の信頼を置く守護神は、すでに映像を通じてオーストラリアの分析も進めている。過去のW杯予選で5分2敗と、勝ったことがない相手だが、11年1月のアジア杯決勝で延長戦の末、1-0で勝って以降は3勝3分の無敗。川島はそのうち4試合のゴールを守り、結果は2勝2分だった。

「どちらにも捉えられる。ポジティブに捉えようと思えば、予選ではないけど、アジア杯や親善試合では勝っているし、内容的にいい試合をしたゲームもある。ただ、過去を振り返って、苦しめられている相手であるのは間違いない。この試合は、過去は関係なく臨んでいけるかが重要になる」

 大一番を前に、頼りになるキャプテンも帰ってきた。3月の右膝手術から復帰したMF長谷部誠について「マコ(長谷部)みたいな存在がいてくれるのは気持ち的に大きい」と指摘したチーム最年長34歳の川島。自身に次ぐ年長者である33歳の長谷部がこの日、コンディション調整のため一部別メニューだったことに「年だからね」と冗談交じりに笑うと、「彼が一番、自分の身体のことは分かっていると思う」と心配しなかった。

(取材・文 西山紘平)


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