新潟市西蒲区で開催される「わらアートまつり」について取材した。

第10回「わらアートまつり」が開催

米どころ新潟市西蒲区で9月2日と3日に「わらアートまつり」が開催される。

出典:新潟市報道資料(昨年度の作品)

開催10回目となる今年のテーマは「10×獣」。同区民と武蔵野美術大学の学生が連携して制作した巨大な野獣のわらアート5体を展示する他、わら細工体験教室やスタンプラリーなどを実施する。

2008年から開催

「わらアート」とは、稲わらを活用したアート作品。

同区は2008年(平成20年)から同イベントを開催しており、過去のイベントでは「カメレオン」や

「マウンテンゴリラ」

出典:西蒲区ホームページ「平成23年度わらアート作品」

「マンモス」など、さまざまな作品が登場し大反響となった。

出典:西蒲区ホームページ「平成21年度わらアート作品」

「わらを活用してPRできないか」と大学に相談

同区の産業観光課によると、同イベントは旧岩室村(新潟市と合併し、西蒲区の一部になった)が岩室温泉街のアートイベントで交流のあった武蔵野美術大学にこう相談したのが始まりだという。

区の広大な水田で栽培された米から出る稲わらを活用して区をPRするものができないか。

これに対して、同大学が「わらを使って大小さまざまなオブジェを制作してはどうか」と提案。

2006年と2007年に岩室温泉観光協会が旧岩室村の夏井地区で1作品を展示。好評を得て、翌2008年度からは西蒲区の魅力としてPRするために、区が主体となってイベントを開催するように。作品は武蔵野美術大学の学生と市民との協働で制作している。

美術を学ぶ若者らしい斬新で芸術性のあるアイデアや外部在住者の視点で見た区の魅力を作品制作に生かしてもらっています。

オブジェに使用するわらは、地元農家の方たちが「とば編み」してくれており、それを学生たちが骨組みに巻き付け作り上げています。

出典:西蒲区ホームページ「平成28年度わらアート作品」

作品が出来るまで

作品はまず、武蔵野美術大学の学生が作品のイメージを作成し寸法を計画。

出典:西蒲区ホームページ「わらアート作品ができるまで」

デザインを元に、区内の業者が骨組みを作成。さらにプラスチックのパイプを付けて肉付けし、作品に必要な曲線を作り出す。

出典:西蒲区ホームページ「わらアート作品ができるまで」

そこに、区内の農家の人たちが協力して稲わらを一つ一つ編んで作った「とば」を取り付ける。サメの歯のような細かい部分は、わら縄を巻き付けるという。

出典:西蒲区ホームページ「わらアート作品ができるまで」

夏の日差しの中、とばを作品まで運んだり、追加でとば編みをしたり、木陰で休んで昼食を取ったりと、多くの人が力を合わせて作品を完成させる。

出典:西蒲区ホームページ「平成25年度わらアート作品」

「一瞬を切り取ったリアルさ」を表現

作品を制作する上での「こだわり」を聞いた。

作品をリアルに見せるために、生き物の一瞬を切り取ったポージングや顔の表情、プロポーションなどにこだわって制作しています。

稲わらの編み方や使い方を変えることで、その生き物「らしさ」をいかに出すことができるかが勝負です。

出典:西蒲区ホームページ「平成27年度わらアート作品」

1つの作品にどのくらいの時間をかけているのか。

作品ごとにチームに分かれて一斉に制作しており、だいたい1週間で制作します。構想を練ったり模型を制作する時間なども合わせると、5か月くらいかかります。

出典:西蒲区ホームページ「平成27年度わらアート作品」

来場者からは「作品作品のレベルが高くて素晴らしい」「毎年、素敵なアイデア作品を楽しみにしている」「稲わらのにおいが懐かしい」など作品や素材に対する好意的な反応が多いという。

今年は「過去最大の作品」を展示

記念すべき第10回目となる今年のテーマ「10×獣」。

開催10回目の「10」と今年度の作品テーマである野獣の「獣」を組み合わせています。

その効果として過去最大の作品を展示するなど、10回目のメモリアルイヤーを盛り上げています。

巨大オブジェの野獣5体を展示。中でも、最大(高さ5メートル、長さ10メートル)のスケールを誇る「ライオン」は圧巻だという。

出典:新潟市報道資料

「誇りと愛着」「関心と憧れ」を作る目玉に

わらアートに込める思いを、こう語る。

新潟を象徴する稲作農業の副産物である稲わらを使った「わらアート」は西蒲区発祥の取り組みとして、少しずつ全国へと広がってきました。

地域に住む方々の新潟への誇りと愛着や、市外居住者の方々の関心と憧れを醸成する目玉となることを期待しています。

出典:西蒲区ホームページ「平成22年度わらアート作品」