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昨年10月に福井市で開かれた日本弁護士連合会の人権擁護大会で、「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」とする宣言が採択されたことをめぐり、その手続きや議論のあり方などに疑問をもつ弁護士グループが8月28日、採択が日弁連の意思決定となる法的根拠を示すよう求める公開質問状を日弁連に提出し、各単位会にも送付した。

質問状ではほかにも、(1)日弁連が死刑廃止活動をすることが、犯罪被害者と弁護士の信頼関係構築を困難にしないか、(2)死刑存置に賛成する弁護士が納める会費を死刑廃止活動に使うことは思想・良心の自由に対する侵害ではないか、(3)弁護士会名を使用するのでなく、自分の名前や資金で活動すべきでないか−−など計11項目について、3週間以内での回答をもとめている。

福井市での人権擁護大会では、日弁連会員のうち786人(全体の約2%)が出席し、そのうち546人(全体会員の1.45%)が賛同して、「死刑制度の廃止を目指す」宣言が採択された。だが会場で、犯罪被害者の支援に関わる弁護士らから、宣言に反対する意見が噴出していた。

●「死刑廃止運動をやめろとは言っていない」

質問状を提出後、弁護士グループの9人が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。

質問状の請求人代表の一人、北尾哲郎弁護士は「日弁連の人権擁護大会には招集手続きの規定がなく、委任状も不在者投票もない。当日参加できた人だけで決めるものだった」「手続き的な疑問が非常に大きい」と指摘した。

また、請求人代表の一人で、全国犯罪被害者の会(あすの会)の顧問をつとめる岡村勲弁護士は「だれも死刑廃止運動をやめろとは言っていない。(岡村弁護士らが立ち上げた)あすの会のように、(廃止派が)自分のお金で死刑廃止活動をしてほしい」と述べた。

この質問状には、計106人の弁護士が名を連ねている。なかには、死刑存置をもとめる弁護士以外も含まれている。

会見に出席した高田沙代子弁護士は「私は死刑存置論者でない」と断ったうえで、「若い会員の中には、就職に困る人もいる中で、一生懸命に仕事をして、強制加入団体(日弁連)に会費を納めている。なのに、ある一つの活動に会費が使われているのは賛同できない」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)