<16世紀からローマ法王を守ってきた世界最古のエリート陸軍が、ISISの攻撃に身構える>

カトリックの総本山、バチカン市国とローマ法王(教皇)フランシスコを警護するスイス衛兵の隊長が、ISIS(自称イスラム国)の配下か影響下にある者がバチカンを攻撃するのは「時間の問題だ」と語った。

クリストフ・グラフ隊長は、スイスのカトリック・ニュースサイト「cath.ch」に、スイス衛兵はローマ法王を守るためにあらゆる過激派の攻撃に備えていると言った。

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「攻撃まで時間はないかもしれないが、準備はできている」と、彼は言う。16世紀にローマ法王に雇われたスイス傭兵に起源をもつスイス衛兵は、スイスの若い男性だけから成る世界最古の超エリート陸軍だ。奇抜でカラフルな軍服を着ているので、観光客にも人気だ。

法王を目の敵に

イスラム過激派はこれまでもローマ法王とローマ法王庁(バチカン)をプロパガンダの標的に使い、目の敵にしてきた。ローマカトリックの信者を背教者や十字軍と呼び、その象徴であるローマを転覆するといってきた。2015年の2月には、エジプトのキリスト教の一派、コプト教徒21人を海岸に並べて頭部を切る動画を公開した。

今は発行されなくなったISISの広報誌ダビクでも、バチカンの有名なサン・ピエトロ広場を表紙にして「失敗した十字軍」というタイトルをつけたこともある。

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2016年4月には、イスラム過激派がバチカンとローマにあるイスラエル大使館を爆破しようした計画をイタリア当局が暴いている。容疑者4人が逮捕され、うち1人はシリアのISIS戦闘員からメッセージアプリのワッツアップを使って命令を受け取っていた。

以来、サン・ピエトロ寺院への大通りは、攻撃を恐れて通行止めのままになっている。今年に入ってヨーロッパの各都市が次々とテロに襲われてからは、警戒はますます厳重になっている。

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ジャック・ムーア