インターネットでの検閲を強化する中国政府が、掲示版への書き込みを実名登録制にする規制を導入することになりました。

China’s New Wave of Internet Censorship: Name Verification for Online Commenting | The Diplomat

http://thediplomat.com/2017/08/chinas-new-wave-of-internet-censorship-name-verification-for-online-commenting/

2017年8月25日に中国のCyberspace Administration of China(サイバースペース管理局)は、オンラインコミュニティの健全で秩序ある発展を促進し、国家の安全と公益を守るために、インターネット掲示版やコミュニティに関する新規則を制定することを発表しました。この規則によると、すべてのネット掲示版と双方向のコミュニケーション機能を提供するプラットフォームにおいて、サービス企業やプロバイダは、ユーザーが投稿する前にユーザーIDを確認することが要求され、実名の登録を拒否するユーザーには投稿させないことを義務づけます。つまり、サービス上、匿名での書き込みは認められるものの、サービス提供者には実名登録することが必要で、すべての書き込み内容はサービス提供者を通じて中国政府に把握されることになり、書き込みの内容によっては投稿が禁止されるなどの処置がとられることになります。



さらに、新規則ではインターネットでの公衆送信やオンライン出版で禁じられる行為として、「憲法の基本的な原則に反すること」「国家の安全保障を毀損(きそん)したり、国家の秘密を明らかにしたり、国家権力を蹂躙したり、国家の統一性を弱めたりすること」「国の名誉や利益を害すること」「国に対する憎しみ、民族差別、国家の統一性への脅威を誘発すること」「国家の宗教政策を毀損(きそん)したり、宗教や封建的な迷信を促進すること」「風説を流布したり社会秩序を混乱させたりすること」「わいせつ、ポルノ、暴力、暴行などを公衆に広めること」「他人を侮辱したり誹謗中傷したり、合法的に認められる権利・利益を侵害すること」「その他法令に違反すること」を掲げていますが、禁止される項目の範囲は広く、さらに漠然としているため、どのような批判であれいずれかの項目違反に含めることが可能だと指摘されています。



中国では大規模なインターネット情報検閲システム「金盾(グレートファイヤーウォール)」が稼働しており、Googleなどのサービスが禁止され、回避手段として利用されるVPNサービスの取締りを強化するなど、インターネット検閲を強化してきましたが、掲示版の書き込みを監視して実質的な管理下に置く今回の新規則によって、中国国内のインターネット上の表現の自由は大きく制約されることになりそうです。なお、新規則は2017年10月1日に施行される予定です。