子どもの「スマホ中毒」、東大合格者数公立1位の日比谷高校の向き合い方とは

写真拡大

子どもにスマートフォンを持たせるべきか、また、持たせた際のルールはどうするべきか。スマホに対する考え方は各家庭によって様々ですが、どのように対応することがベストなのかと迷っている点は同じでしょう。

いじめ・不登校の背景にあるものとは?親が知っておきたい「学校教育&家庭でできること」

内閣府が調査した結果を見ると、10歳未満の子どもの39.2%がすでにインターネットを利用していることがわかりました。生まれた時からインターネットがある時代ですので、不思議ではありませんよね。

ただ、利用している子どもの保護者のうち、35.4%がトラブルを経験しているという結果もあり、やはり、スマホの扱いには慎重になってしまいます。(※低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査)

いずれは子どもも持つであろうスマホ。その日のためにどのような準備をしておけば良いのでしょうか。

今回は、東大合格者数公立1位の日比谷高校で実際に行われている“スマホとの向き合い方”をご紹介します。

日比谷高校は、誰もが知る公立のトップ校。多くの政治家や官僚、財界人、学者らを輩出しており、過去には現役浪人合わせて200人近くも東大合格者を出すなど、存在感を示していました。ただ、ここ20年ほどは思うような成績が出せず、名門の凋落として語られることも。

そんな同校は、最近、V字回復の兆しを見せており、今春の東大合格は現役浪人合わせて45人。これは公立高校ではトップ。有名私立高校が中学高校の6年間で準備をするのに対し、日比谷高校ではたった3年間でその準備を行います。

しかも、日比谷高校の生徒は勉強ばかりしているわけではありません。彼らのモットーは文武両道であり、かつ学校行事に関しても真剣に取り組みます。9月の文化祭ではクラス一丸となって準備をし、全力で当日を楽しみます。

同校の校長先生である竹武内彰さんは、「最後まで文化祭を全力でがんばった子ほど伸びる」と自著『学ぶ心に火をともす8つの教え』で語っているほど。勉強だけさせて東大入学者を増やすのではなく、同校では、一人の人間として魅力的であり、かつ成長することができる学生を育てているのです。

そんな同校であっても、スマホに関する相談が多く寄せられると、同書で紹介されています。

家に帰ってもスマホを手放さず、食事中もテレビ中もスマホと一緒。寝る直前までスマホの画面と向き合っているのです。親としてもこの状況を心配し、武内さんのところに相談を寄せるのです。武内さんご自身も高校生の子どもがおり、子どものスマホ依存に困っているそう。

こういった状況はどこも変わらないようですね。
では、武内さんは子どものスマホ利用についてどのような考え方を持っているのでしょうか。

意外な言葉が同書に記載されていました。

放っておいてください。そのままダメになるようなら、一度つまずかせたほうがいい

出典(『学ぶ心に火をともす8つの教え』)

武内さんが最良とする対処方法がこうなのです。

というのも、無理やり親がスマホを取り上げたとしても、うまくいくケースがないからです。それほど、今の子どもたちにとってスマホは生活の一部となっているのです。

ですから、自分自身で気をつけようと思わない限り、その生活スタイルは変わらないのです。一度、痛い目にあって、自分の意思で変わることが大切なのです。

そんな時に、親としてキチンと迎え入れることが大切なのです。

ですので、「だから言ったでしょう!」「親の言うことを聞かないから!」と言って、子どものことを全否定したり、逃げ道の無い方向に追い込んではいけません。

子供には、『失敗する権利』があるのです。そして、『自分の力で立ち直る権利』もあります。両方があってはじめて成長できるのだと思います。そのせっかくの成長のチャンスをつぶしてしまうのは、もったいないことです

出典(『学ぶ心に火をともす8つの教え』)

スマホを取り上げたり、また、頭ごなしになって叱りつけたりはせずに、そっと見守ることが、結果的に良いようです。もちろん、スマホを使っているからといって見放すこともなく、必要があれば、親の気持ちを伝える。シンプルな向き合い方を武内さんは推奨しています。

これから子どもにスマホを与えようとしている方は、このことをしっかり覚えておきたいですよね。

さて、最後に、日比谷高校で実際に運用されているSNSルールをご紹介しましょう。

「LINEのタイムラインの公開先には気をつける」「自分が特定できる情報を流す時は鍵アカウントにする」といった、独自ルールを生徒たち自身が作って運用しているのです。学校側が一方的に決めたルールではなく、どうしたら良い?と言う問いかけに生徒たちが自分たちで答えたのです。

大人が見せるべきなのは、疑いではなく信頼の姿勢です。このSNSルールのように子どもたちを信頼し、『適正だと思う範囲を自分たちで考えなさい(あなたたちを信頼しているよ)と伝えれば、子ども達は大人が受け入れられるだけの答え(信頼)を返してくれるものです』

何よりもまずは、子どもを信頼すること。そして、その姿勢を見せることで、子どもと一緒にスマホと向き合っていくのです。

これが名門校をV字回復させた武内さんの、スマホに対する考え方。いずれやってくるスマホ問題の際に、参考にしたい考え方ですよね。