子育ての負担を減らしてくれるけど… 体験者が語る電動自転車の良い点、注意点

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 子どもを前後に乗せて、上り坂もスイスイ〜。保育園の送迎などでママ・パパたちの負担を大きく減らしてくれるのが、いわゆる「電動アシスト自転車」(以下、電動自転車)。モーターによりこぐ力を補助する自転車だ。しかし、便利な半面、事故を防ぐためには普通の自転車とは異なる点をしっかり認識して乗ることが大切なようだ。

■出荷台数の増加に伴い事故も増加傾向

 自転車協会と日本自動車工業会のデータによると、平成13年〜21年で、国内の原動機付自転車の出荷台数は減少を続け、54万台から26万台とほぼ半減。一方で、電動アシスト自転車の出荷台数は年々増加し、19万台から36万台とほぼ倍増。平成20年には電動アシストの出荷台数は原付の出荷台数を上回った。交通事故総合分析センターの分析によると、出荷台数の増加に伴い、電動自転車による死亡事故も増加傾向という。

 そこで、電動自転車を使っているママたち数人に、ヒヤリ体験を聞いてみた。

■便利だけど重い…

 充電を忘れるとただの鉄の塊、というのは電動自転車を使っているママたちからよく聞くことだが、共通して聞かれたのが、「便利だけど、重い」という声だ。

 「子どもを乗せて、電動自転車を押して歩いている時に右折しようと思ったらバランスを崩し、転びそうで転ばない体勢になってしまった。子どもが乗っているし、本体が重いので、腕と腰が耐えられないくらい痛くなり…。最後に火事場の馬鹿力状態で何とか体勢を立て直しました。本当にヒヤヒヤした」(40代ママ)

 「子どもを座席に乗せた状態でバランスを崩して倒れた。電動は本当に重いので(本体で20キロ)一度バランスを崩すと自力で踏ん張っても厳しく、ゆるやかに倒れた。起き上がるのも一苦労! 車の通りがある道でなくて本当によかった…」(30代ママ、子ども6歳・3歳・1歳)

 このように、いったんバランスを崩すと支えるのが大変なようだ。また、走行時にバランスを崩さないよう、方向転換時に気をつけたり、急旋回をしないようにしている、との声もあった。自転車が重たいこそぶつかったときの衝撃・被害も大きいので注意が必要だ。

■うっかりするとつい…

 子どもを乗せた状態でもこぎ出しが楽で、急な坂でも平地のように楽々走れるという電動自転車。だからこそ、油断するとスピードが出すぎてしまうのも特徴のようだ。

 注意していることとして挙げられたのは、「当然ではあるけれど、子ども用座席のベルト着用とスピードを出しすぎないこと」(30代ママ)、「とにかく転ばないように、あまりスピードを出しすぎないようにしている」(40代ママ)、「雨の日は乗らないと決めている。ブレーキの効きが悪くなってしまうので」(40代ママ)などだった。

■でもやっぱり楽! 行動範囲が広がる!

 筆者は、電動自転車未経験。保育園にお迎えに行った帰り道に坂を上りきれずにいったん降りて自転車を引くたびに、「電動自転車だったら、ここもスイスイ行けるのかあ」と考えている。でも、電動自転車ならではの危険もあるのだなと、ちょっぴり怖くなってしまった部分も。

 しかし、「重いがゆえの危険は、気をつけさえすれば大丈夫。電動は一度乗ったら手放せないと聞いていたけど、今では本当にそう思う。車を持っていないが、結構どこへでも自転車で行ってしまう」(40代ママ、子ども中1・小5・3歳)、「(1人をおんぶして残り2人を前後に乗せ) 子ども3人と荷物を乗せても坂道を上れる。格段に遠くまで行けるし、その分アクティブになれていると思う!」(30代ママ、子ども6歳・3歳・1歳)などの声を聞くと、ママたちの負担を減らし、行動範囲を広げる役割をしていることを感じる。

■普通の自転車でも電動自転車でも大切なこと

 現在お子さんが中3と中1の40代のママは、子どもが大きくなり、今では自分自身も自転車に乗ることも減ったという。しかし、保育園に通っていた兄妹を前後に乗せて電動自転車で疾走していた当時を振り返って、「安全に気をつけて運転するときの気持ちは、普通の自転車も電動自転車も同じ」とのコメントを寄せてくれた。

 交通事故総合分析センターは、電動アシストの事故分析に際し「取り扱い上の注意事項の遵守(サドルに腰を下ろしてからペダルを踏み出す、停車時はペダルから足をはずす等)」、「(信号・一時停止の遵守など)交通ルールの遵守」、「ヘルメット着用の推奨」「速度の出しすぎには注意」といった点を提言している(第15回交通事故調査・分析研究発表会資料より)。

 また、アシスト比率が道路交通法上の基準を超えている電動アシストが存在する。基準を超えたアシスト力が不意に加わることによりバランスを崩すなどの危険があるとして、消費者庁などが注意を呼びかけている。

消費者庁サイトの該当ページはこちら:道交法の基準に適合しない電動アシスト自転車に乗るのはやめましょう!

 いま電動自転車を愛用している人も、これから購入を考えている人も、安全を守る基本事項を確認して、便利なツールを利用しよう。(チバミナコ)