平井堅

 歌手の平井堅(45)が過去に、ヒット曲が生まれたことで不安になり、歌手を辞めたいと思うほどまでに追い詰められたことを、25日放送の日本テレビ系『アナザースカイ』で明らかにした。番組では、当時、平井を救ったのは美空ひばりさんの音楽とも伝えた。なお、平井は過去のインタビューでも美空さんを尊敬していると話している。

番組で明かした米ニューヨーク暮らし

 1995年にCDデビューした平井。2000年にリリースした8枚目のシングル「楽園」が累計60万枚を超える大ヒットを記録。これを機にトップアーティストの仲間入りを果たした平井は以降、ヒット曲を連発するようになった。しかし、その「楽園」のヒットが平井を追い詰めたという。この日の放送では、14年前に米ニューヨークに渡った平井が、その時の経験が後の活動に大きな影響を与えたことを紹介した。

 それによると、「楽園」のヒットで有名になった平井は「歌をたくさんの人に聞いて欲しいというのと、自分が有名になることが繋がってなかった」とし、意識のずれを感じるようになったという。歌う事にも怖さを抱くようになった平井はマネージャーに「辞めたい」と告げるまで追い詰められていたようだ。

 そんな平井を救ったのは2003年、米ニューヨークでの暮らしと美空ひばりさんの音楽に出会ったことだった。ニューヨーク暮らしで“自分らしさ”を取り戻し、美空さんの音楽に触れて「こんなにすごい歌い手がいるんだ」と思った平井は、美空さんの歌をマンハッタン中の人に聞かせたいとの想いを抱いたという。

 平井は番組の中で「欧米の音楽は日本より優れてる、そういう価値観に当時は縛られてたと思うんですけど、全然そんなことなくて。日本語で日本の歌を歌うことの『面白さ』『奥深さ』をやっとわかった」と語り、美空さんの出会いによって意識改革が得られたと明かした。

 日本語を大切に歌いたいとの気持ちを胸に、帰国後すぐとなる2004年に「瞳をとじて」を発表。累計出荷100万枚を突破する大ヒットとなった。平井は苦しかった時期にも意味があったとし、それらを含めて「正直に歌にすることが自分にできる全てかなと思います」と明かした。

過去のインタビューでも

 そんな平井は先月12日に、オールタイムシングルベスト『歌バカ2』をリリースしている。その際のインタビュー(MusicVoice既報)でも、尊敬している歌手として美空さんの名前を挙げて次の通りに語っていた。

 「『あ、かなわないな』って思う人って、こっちがつらくなるんだけど、本当にかなわないから。なんだろうなあ……美空ひばりさんの、あの、もう身投げする、歌と心中してる感じ。歌ってないと息できない、みたいな感じに見えるんですよね。それは、かなわないなあと思いますね」

 また、このインタビューで、音楽に向かう時のスタンスが「戦い」であり続けているのは2000年の「楽園」以降であるとし、「ヒットする」ということへの意識についても言及した。【朝倉浩正】